人生を豊かにする智慧⑬あなたの本来の姿に戻る

解脱とは

「ヨーガにおいては、心や体(プラクリティ)は私の本質ではなく、意識であるプルシャが本当の私であり、さらにこのプルシャである純粋な意識こそが、私たちの真の幸福であると考えられている」
とご紹介しましたが、この無知(自分を心や体と認識していること)を取りはらい、プルシャとプラクリティが切り離され、プルシャがただ存在することをカイヴァリヤと言います。

この状態の心にある者は、永久に自分自身の本来の姿、つまり意識の中にその身を置く。」

(現代人のためのヨーガ・スートラ)

このように心が止滅することがヨーガの到達地点であり、これが解脱(げだつ)と言われる境地です。
仏教では涅槃(ねはん)、ニルヴァーナと呼びます。

解脱に至ることこそが、お釈迦様が説かれた苦しみをなくす方法です。
解脱は、再び苦しみの世界には生まれ変わることがないことを意味します。

つまり心の作用が完全に消滅すると、この世に生まれ変わる動機はなくなり、輪廻が終了します。

ヨーガスートラ

そのゴールに到達するためのヨーガの実践が、ヨーガスートラに記されています。

「ヨーガというものは、健康上のものであれ治療的なものであれ、単なる肉体的な運動だけではなく、21世紀の人類に対して、哲学、心理学、神学、生態学上の問題と共に、我々が抱える最も重要な社会的問題に対しても解決策を提供するものであります。

ヨーガの修練において、我々は勤勉さと継続的な努力が求められます。
頭で知るだけでは悟ることは出来ません。
しかし、理解せずにヨーガを実践しても不完全です。」

(パタンジャリとシッダのクリヤヨーガスートラ)

ヨーガスートラの一部をご紹介します。

第1章サマーディ・パーダ

2. ヨーガとは意識(内に生じる)揺らぎ(と一体になること)をやめることである。
3. そうして見る者が本来の姿に留まる。
4. そうでなければ、(意識の)揺らぎと個我が一体となる。
7. 真の知識を獲得するための手段は、五感による知覚、推測、聖典の研究である。
12. 継続的な修練と無執着によって(意識の揺らぎと一体になることが)止む。
13. ここで言う継続的な修練とは、意識の揺らぎと一体になっていない状態に留まるために行われる努力である。
14. しかし、これ(この状態)は長い時間(長期間)に渡って首尾一貫して努力し続けた時に(のみ)しっかりと確率される。
15. 無執着は、欲を抱かずに対象物を見聞きする者の完成の印である。

第2章サーダナ・パーダ

1. 熱烈な修練、自己探求、神への献身がクリヤ―ヨーガを構成する。
2. それらは苦悩の種を弱め、サマーディに至るために用いられる。
3. 無知、エゴイズム、執着、嫌悪、生への執着が五つの苦悩である。
4. 無知は畑であり、(他の)苦悩(がそこから生じ)、休止状態にあるが、弱まっているか、押さえつけられているか、現れ出ている可能性がある。
5. 無知とは、つかの間のものを永遠のものとして、不純なものを純粋なものとして、苦痛をもたらすものを喜びをもたらすものとして、真我として認識するものであ る。
6. エゴイズムとは、いわゆる見る者(プルシャ)の力を見るための道具(身体と心)の力とを同一視してしまうことである。
7. 執着とは喜びにしがみつくことである。
8. 嫌悪とは苦しみにしがみつくことである。

(パタンジャリとシッダのクリヤヨーガスートラ)

参考文献
・現代人のためのヨーガ・スートラ グレゴール・メーレ/ガイア・ブックス
・パタンジャリとシッダのクリヤヨーガスートラ

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かねてよりワークショップ開催のご要望をいただいていたのですが、コロナの影響で延びに延び、やっと実現する運びとなりました。普段は除霊や開運調整を行っていますが、ワークショップでも簡易除霊を行います。そして自己を癒すワーク、その後願望実現ワークを行います。今は願いが叶う時代です。人々の意識が高まり。それが可能になりました。いくつになっても、夢は叶います。

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