ヨーガ・スートラの八部門
間が空いてしまいましたが、ヨーガ・スートラについてひきつづきご紹介します。
ヨーガ・スートラの八部門には、ヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ、プラーティーヤハーラ、ダーラナ、ディヤーナ、サマーディがあります。
その中のヤマとは、慎しむべきもの、自制すべきものです。
今回は、ヤマ(禁戒)の中のアパリグラハ(欲張らないこと、不貪)についてご紹介します。
アパリグラハ
欲張らないこと。
以下、「八部門」について「パタンジャリとシッダのクリヤヨーガスートラ」から抜粋します。
数あるヨーガ・スートラ解説書の中でも、「パタンジャリとシッダのクリヤヨーガスートラ」は、パタンジャリと兄弟弟子であるタミル・ヨーガ・シッダ、ティルムーラルによって著された「ティルマンディラム」との類似点を指摘、比較している点において大変斬新な内容となっています。
お勧めしたいヨーガ・スートラ解説書です。
ヤマに含まれる”欲張らないこと”について
第2章30
ヤマ(社会的制約)は、非暴力、正直、不盗、貞操、欲張らないことである。欲張らないことは、物を所有することに関して空想しないことと、他人のものをほしがらないことです。
人はよく、宝くじに当たったり、金持ちと結婚したり、株で大儲けして金持ちになることができたら、ずっと幸せでいられるのにと空想します。
これは全く愚かなことです。
こうした空想にふけると、自分の内にある永遠の喜びの源から引き離されてしまうだけです。欲張らないことを徹底し成し遂げた者には、次のことが起こります。
第2章39
貪欲さがなくなった時、自らがどのように、そしてなぜ誕生したのかが明白になる。我々が貪欲さを手放すと、言い換えれば執着を手放すにつれて、真我との一体感をますます感じるようになります。
時と空間を超えた真我の観点に立てば、前世や前世での傾向について知ることができます。
エゴに基づいた偏狭な願望にはもはや縛られません。
潜在意識に根付いた習慣的な傾向を知ることができます。
参考文献
・ババジと18人のシッダ
・パタンジャリとシッダのクリヤヨーガスートラ