人間の目標
インドの民衆に根付いているヒンドゥー教は、インド発祥の民俗宗教であり、多彩な文化、宗教の集合体です。
創始者もいなければ経典、教義も存在しません。
森羅万象を崇拝の対象にした多神教であり、他宗教を排斥せず寛容な宗教です。
日本に伝えられたヒンドゥーの神々も存在します。
七福神の弁財天は、芸事の神様としてお祀りされていますが、もともとはサラスヴァティと呼ばれるインドの川の神様であり、また大黒天はヒンドゥー教三大神のシヴァの破壊の神としての姿「マハーカーラ」(カーラは黒を意味します)に由来します。
毘沙門天は、クベーラというヴェーダ時代から存在する古い神格で富と財宝の神に由来します。
ヒンドゥー教には、目標が掲げられています。
人間の四つの目標
①富を得ること
②肉体的な心地よさ、感情面での健康、知的な刺激を得ること
③道徳的な人生を送ること
④真我実現、解脱
「人は百歳の寿命をもつが、時期を分けて、互いに損なうことなく、人生の目的を追求すべきである。
老年にはダルマと解脱を追求すべきである。」
とあります。
この4つの目標は、人の理想的な生き方を教えています。
ダルマとは、法と訳されますが、社会的秩序、正しい行為、高潔であることを可能にする行為などを意味します。
人は肉体の死を意識する時、自分からすすんで神を求めます。
老年期に至るならば、ダルマや真の自己を探求したいと魂から願うのは、人の自然な生き方ではないでしょうか。
参考文献:「クリヤーヨーガ:道を照らす光」
◎クリヤーヨーガ:道を照らす光
「なぜババジのクリヤー・ヨーガの実践は必要なのか。
待ち受ける試練やその解決法は。
鍵は真の自己の知識とエゴの明け渡しにある。
だが実行にはしばしば助けが必要だ。
行法の実践者、未経験者の区別なく、すべての人を後押しする洞察あふれる書。」