神ご自身が説いた教え・バガヴァッド・ギーター
マハーバーラタ第六巻の一部に納められており、ヴェーダの精髄とも云われるのが、「バガヴァッド・ギーター」です。
バガヴァン(神)のギーター(詩)であることから、神の詩とも訳されます。
地球上のすべての聖典を凝縮した人類の至宝の書とも言われ、生まれた意味や、地上でどのように生きるべきかの指針が示されている書物です。
「インドの思想」(著・ムニンドラ・パンダ/(有)アートインターナショナル)より、一部抜粋します。
「バガバッド・ギーターは、バガヴァーン(主、神)ご自身が説いた教えであり、主題もまたバガヴァーンに関するものです。
全世界をあまねく統治する最高君主、そして万能の権力、あるいは比類なき力、計り知れない富、完全無欠の無執着、偽りなき名声、純粋なる知識、これらの六つの財産が「バガ」と呼ばれます。」
「バガヴァッド・ギーターをよく学ぶ者は、他の様々な聖典を学ぶ余裕がなくてもかまわない。
なぜならこのギーターは、神ご自身の口から現れたものであり、ギーターを読むだけで、至高の境地へ到達できるからです。
バガヴァッド・ギーターを勉強すれば、一切の聖典を学ぶのと同程度の、必要とされるすべての知識を得ることが出来るというわけです。」
皆さんもご存知のエドガー・ケイシー氏は、「地上に存在するあらゆる書物の中で、普遍的真理に最も近いものは?」
と問われ、敬虔なキリスト教徒であるケイシーが「聖書」と答えると予想される中、「バガヴァッド・ギーターである。」と答えました。
インド独立の父、マハトマ・ガンディーはバガヴァッド・ギーターを「スピリチュアル・ディクショナリー」とたとえました。
インドで悟りを開いた聖者たちもこの「バガヴァッド・ギーター」を神の叡智として絶賛しています。
バガヴァッド・ギーターは、神であるクリシュナと、戦士アルジュナとの間で行われる問答形式で説かれています。
戦場において戦いが始まる直前に、アルジュナ(清らかな心を携えた魂という意味)が、クリシュナに数々の質問をします。
戦士アルジュナと師クリシュナ。
この二人の間で交わされる数々の議論こそが、バガヴァッド・ギーターを有名にしました。
参考文献
・インド思想入門 ヴェーダとウパニシャッド/前田専學/春秋社
・インドの聖典(著・ムニンドラ・パンダ/(有)アートインターナショナル)