メッセージ

本音と建前が引き起こす自己矛盾

Ural Owl 6
vibration

本音を伝える生き方~潜在意識は成功を知っている~

都会で生きる多くの人々は、日々の喧騒の中で孤独と闘い、自分の将来に漠然とした不安を抱えながら生活している。そんな中で、ふとした瞬間に他人の親切心すら素直に受け取れず、疑心暗鬼になってしまうこともあるだろう。その背景には、日本社会に深く根付いた「本音と建前」という独特のコミュニケーション文化が存在している。

本音と建前とは一体何なのか。なぜ私たちは、本音を隠し、建前を使い続けるのか。そして、本音と建前を使い分けることで、私たちはどのような自己矛盾に陥ってしまうのか。本稿では、これらの疑問を掘り下げ、令和時代のコミュニケーションのあり方を再考する。

本音と建前・二つの顔を持つ言葉

広辞苑によれば、本音とは「本心(うわべでない本当の心。本意。)から出た言葉。建前を取り除いた本当の気持ち」と定義される。本音には嘘偽りはなく、その瞬間に素直に感じた気持ちや直感が含まれている。それは、まるで生まれたばかりの赤ん坊のように純粋で、何のフィルターも通していない生の感情の表出と言えるだろう。

一方、建前とは「表向き(うわべのこと。表面。)の方針」と定義される。本音が「建前を取り除いた本当の気持ち」であるならば、建前には本心ではない嘘が含まれていることになる。建前は、あくまで「表向きの方針」であるため、そこには必ず裏の方針が存在する。表をつくると裏が生まれるように、建前は、本心とは異なる「こう進めよう」という表面的な方針なのである。

建前文化の由来・悲劇的な物語の教訓

本音と建前の由来には、興味深い逸話が存在する。昔、腕の良い棟梁がいた。ある日、棟梁は直すことができないミスを犯してしまう。自分が切り出した柱の長さが足りなかったのだ。自分の失敗を苦にした棟梁は、死を覚悟する。それを知った棟梁の妻は、夫に酒をすすめ眠らせ、寝ずに妙案を考え出した。それが、枡を用いて柱の足りない分を補修する方法だった。

翌朝、目を覚ました棟梁は、妻が差し出す枡を使用し、柱の足りない部分を補い、なんとか事なきを得た。しかし、自分の恥が明るみになることを恐れた棟梁は、妻を殺めてしまう。その後、棟梁は自分が犯した過ちを後悔し、一生かけて妻を弔おうと心に誓い、女の七つ道具(口紅・鏡・櫛・かんざし・おしろい・こうがい・かつら)を棟の上に飾って供養したことが、建前の儀式となったと言われている。

この物語は、「建前」にこだわるあまり妻を殺めてしまった男の見栄や意地と、「本音」で応じた女の悲しみが、「本音と建前」という言葉の語源になったと示唆している。建前が本音を破壊してしまうという、なんともやりきれない物語である。

二枚舌の構造・本音を隠す心理的なメカニズム

この物語が示すように、私たちは日常生活の様々な場面で本音と建前を使い分けている。うわべを上手くとりつくろいながらも、相手に本心を察してほしい。それが、本音と建前の二枚舌の構造である。

例えば、飲み会で「明日の朝早いんでしょ?帰らなくて大丈夫?」と尋ねられた場合、それは「もうそろそろ帰ったら?いや、帰ってほしい」という相手の本音を隠した表現かもしれない。相手を心配するふりをしながら、自分の思い通りに物事を進めようとする行為なのだ。また、「かわいい~!」という言葉を女性はよく使うが、本当に心からそう思っている場合と、他に言葉が見つからないからとりあえずそう言っておこうという場合がある。

これらの例に共通するのは、人間関係において自分が優位に立つため、つまり自分にとって都合が良い立ち位置にいたいという思惑である。似合わない服を着ていると本心では思いながらも、「すごく似合っていますね」という言葉を使うのは、自分に有利に物事を進めたいという本音の表れなのだ。

建前が繁栄を止める・コミュニケーションの弊害

しかし、本音と建前というコミュニケーションが普通になっている現状は、私たちの繁栄をストップさせている可能性がある。

国際的な場面では、日本独自の建前外交は、相手国にこちらの意図が伝わらず、信頼関係を築くことが難しくなる。表面的な友好関係は維持できるかもしれないが、本心を伝えられないと相手国のストレートな要求を飲まざるを得なくなり、交渉下手な国という印象を与えてしまう。

また、学校教育においても、建前による人間関係が重視される。角が立たないように、人を傷つけないように表現することが推奨されるため、個性的なものは排除されがちな社会構造が生まれる。「建前という箱の中にいなさい」という暗黙のメッセージが蔓延し、出る杭は打たれる。

その結果、私たちは目立たないように、波風を立てないように生きることを学び、いつしかそれが身に沁みついてしまう。オブラートに包んだ話し方ばかりしていると、大勢の前でスピーチをするときに、ありきたりな表現しかできず、聴衆の共感を得ることは難しい。自分の個性を表現できず、相手に本心を伝えられず、評価もされず、部下の信頼も得られない。これは、個人にとっても組織にとっても大きな損失と言えるだろう。

建前文化の功罪・社会の潤滑油としての側面

しかし、建前文化には、必ずしも否定的な側面ばかりではない。建前は、社会生活において摩擦を避け、円滑な人間関係を維持するための潤滑油としての役割を果たす。直接的な批判を避け、相手の立場を尊重することで、弱者を保護する機能も持ち合わせている。

例えば、相手の気持ちを害さないように配慮した言葉遣いや、場の空気を読んで発言を控えるといった行動は、建前によって支えられている。また、冠婚葬祭などの儀式において、形式的な言葉や行動を用いることで、故人や関係者への敬意を示すことも、建前文化の良い側面と言えるだろう。

建前は、社会の秩序を維持し、人々の調和を保つために必要な要素である。完全に否定するのではなく、日本文化の一側面として捉え、その存在意義を理解することも重要である。

自己矛盾のメカニズム・内なる葛藤と心の疲弊

本音と建前を使い分けることは、時に深刻な自己矛盾を生み出す。自分の本当の気持ちを押し殺し、周囲の期待に応えようとすることで、私たちは内なる葛藤に苦しむことになる。

例えば、本当はやりたくない仕事を「はい、喜んで!」と引き受けたり、本当は嫌いな相手に「いつもお世話になっています」と愛想笑いをしたりすることで、私たちは自分の心に嘘をついていることになる。このような状態が続くと、自己肯定感が低下し、ストレスや不安が増大し、最終的には心の疲弊につながってしまう。

自己矛盾は、私たちの精神的な健康を蝕むだけでなく、人間関係にも悪影響を及ぼす。本音を隠し、建前でばかり接していると、相手との間に心の壁ができ、親密な関係を築くことが難しくなる。また、自分の本当の気持ちを表現できないことで、周囲から誤解されたり、孤立感を深めたりすることもあるだろう。

自己矛盾を克服するためのヒント・自己理解と自己受容

自己矛盾を克服するためには、まず自分の心に正直に向き合うことが重要である。自分がどのような時に、どのような建前を使っているのかを意識し、その背景にある感情や欲求を理解することが第一歩となる。

その上で、自分の感情を否定したり、抑圧したりするのではなく、受け入れることが大切だ。自分の弱さや欠点を含めて、ありのままの自分を受け入れることで、自己肯定感を高め、心の安定を保つことができる。

また、信頼できる人に自分の本音を打ち明けることも、自己矛盾を克服する上で有効な手段となる。誰かに話を聞いてもらうことで、自分の感情を整理することができ、客観的な視点から問題を見つめ直すことができる。

さらに、瞑想やヨガなどのマインドフルネスな活動を取り入れることで、自分の内なる声に耳を傾け、感情の波に乗りこなす力を養うことができる。

令和は本音の時代?・コミュニケーションの新たな潮流

これまで、本音で生きようとすると叩かれる風潮があったが、時代の傾向は変わりつつある。令和の時代を迎え、本音と建前がもつ二枚舌が気持ち悪がられたり、嫌がられる向きがある。何が言いたいのかわからない、もっとストレートに表現しようという風潮が生まれているのだ。

SNSの普及により、誰もが自由に自分の意見を発信できるようになったことで、本音で語ることへの抵抗感が薄れてきている。また、グローバル化が進み、多様な価値観に触れる機会が増えたことで、日本独自のコミュニケーションスタイルを見直す動きも活発化している。

今、私たちは、建前で生きてきた人たちの評価が下がり、本音で生きてきた人たちの評価が上がる、という時代の転換期に立っているのかもしれない。

「本音で生きる」ための具体的なステップ:より自分らしく生きるために

これからは、本音で生きることが、より自分らしく、より充実した人生を送るための鍵となるだろう。しかし、いきなり全てを本音で語ることは難しい。そこで、少しずつ、段階的に本音で生きるための練習を始めることをお勧めする。

  1. 自分の感情に正直になる練習・自分が何を感じているのか、どんな時に嬉しい、悲しい、怒りを感じるのかを意識する。
  2. 正直な自己表現のための言葉を選ぶ練習・自分の気持ちを正確に表現できる言葉を探し、使う練習をする。
  3. 信頼できる人に本音を打ち明ける練習・ 家族や友人など、信頼できる人に自分の本音を打ち明ける練習をする。
  4. 相手の気持ちを尊重しながら自分の意見を伝える練習・相手の気持ちを尊重しながら、自分の意見を正直に伝える練習をする。

これらの練習を繰り返すことで、徐々に本音で語ることへの抵抗感が薄れ、より自分らしく生きることができるようになるだろう。

バランスの重要性・本音と建前の調和

しかし、無条件に本音をむき出しにすることは、常に良い結果をもたらすとは限らない。相手を傷つけたり、人間関係を悪化させたりする可能性も考慮する必要がある。

大切なのは、状況に応じて本音と建前を使い分ける柔軟性を持つことだ。相手の気持ちを尊重しながら、自分の意見を正直に伝えるためには、高度なコミュニケーションスキルが求められる。

本音で語ることは、自己表現の自由を意味するが、同時に、相手への配慮と責任も伴う。本音と建前のバランスを保ちながら、より良い人間関係を築き、より豊かな人生を送ることが、令和時代のコミュニケーションの理想形と言えるだろう。

新たなコミュニケーションの幕開け

本稿では、本音と建前という日本の独特なコミュニケーション文化について、その由来、構造、影響を考察し、これからの時代は本音で生きるべきだと主張してきた。

しかし、本音至上主義に陥るのではなく、状況に応じて本音と建前を使い分ける柔軟性を持ち、自己理解を深めた上で、相手への配慮も忘れずにコミュニケーションをとることが重要である。

令和の時代は、本音と建前の調和を目指し、より自分らしく、より相手を尊重する、新たなコミュニケーションの幕開けとなるだろう。私たちは、この変化の波に乗り、より豊かな人間関係を築き、より充実した人生を送ることができるはずだ。thumb_upthumb_down

ABOUT ME
Shokey Hayashi
Shokey Hayashi
エクソシスト/ラジオニクス技法研究家
1965年、青森県に生まれ 幼少期から霊的な現象によるトラブルや病気、怪我に悩まされてきた。しかし、20歳のある日、イベント参加、会場で不思議体験、天からの稲妻エネルギーが降り注ぎ、脳から脊髄を貫くような衝撃を受け、霊能力が開花。その後、心理学と超能力の研究をスタート、現在は、霊能力と意識工学を融合させた。独自のラジオニクス技法をにて「ラジオニクス除霊」を確立。除霊、供養、癒しを超えた「運気の治療まで可能となる」
error: Content is protected !!
記事URLをコピーしました