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お釈迦様の言葉
前回にひきつづき、原始仏教の経典「ダンマパダ」よりお釈迦様の言葉をご紹介します。
苦しみを無くす道についてお釈迦さまは次のように説かれました。
道
「一切の形成されたものは無常である」(諸行無常)と
智慧によってわかったならば、苦しみはなくなる。これが清浄に至る道である。「一切の形成されたものは苦である」(一切皆苦)と
智慧によってわかったならば、苦しみはなくなる。これが清浄に至る道である。「一切の事物は我ならざるものである」(諸法非我)と
智慧によってわかったならば、苦しみはなくなる。これが清浄に至る道である。
無常、苦、非我。
お釈迦さまが説いた、世界の諸現象に関する真理です。
賢者
自分の過ちを指摘し、教えてくれる
聡明な人に出会ったら
宝のありかを教えてくれる人につき従うように
その人につき従え。
そのような人につき従うならば
善いことはあっても、悪いことはない。
悪友と交わらず
卑しい人と交わるな。
良友と交わり、
尊い人と交われ。
真理を喜ぶ人は、心が清らかに澄み
安らかに生きる。
賢者は、聖者が説かれた真理を
つねに喜ぶ。
岩の塊(かたま)りが
風に揺らがないように
賢者は
非難にも称賛にも動じない。
また原始仏教の経典「スッタニパータ」より、お釈迦様の言葉をご紹介します。
スッタニパータは、お釈迦様が人々に対して、どういう教えを説いたかが記されていて、物語を読んでいるかのように読み進めることができます。
時代は紀元前5世紀のインド。
まるで、多くの民衆を導いた師としてのお釈迦様の姿を垣間見ているかのようです。
慈しみの経
行いよく、平安の境地に達したい人は、
次のようにふるまうべきである。
自分の能力を生かし、正直で、正しく、言葉やさしく
柔和にして、思い上がらない。
足るを知り、多くを望まず
雑務少なく、生活を簡素にし
もろもろの感覚器官を静め、聡明で、謙虚で
他人の家で貪らない。
他の識者から咎(とが)められるような
下劣な行いはせず
すべての生きとし生けるものを
幸せにし、安らかに、楽しくさせよ。
いかなる生きものも
弱いものも、強いものも
長いものも、短いものも
大きなものも、小さなものも
目に見えるものも、見えないものも
遠くのものも、近くのものも
すでに生まれたものも、これから生まれるものも
生きとし生けるものをことごとく幸せにせよ
誰であれ、他人を欺いてはならず
軽んじてはならず
怒りや憎しみから
苦しめてはならない。
あたかも母親が
命がけで一人子(ひとりご)を護(まも)るように
生きとし生けるものに
限りない慈しみの心を抱(いだ)け。
(参考文献ー日常語訳・新編スッタニパータ〈智恵の言葉〉 / 今枝由郎訳 / 出版・トランスビュー)