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お釈迦様の言葉
お釈迦さまはわかりやすい言葉で人々に語りかけました。
その教えは、弟子に口伝えにより詩の形で伝えられ、後にまとめられた仏典が「ダンマパダ」です。
ダンマパダは、パーリ語で、「真理・法」。
この原始仏教の経典は、明治時代以降になって注目されるようになりました。
ダンマパダより一部ご紹介します。
対句
心はすべてのものごとに先立ち、
すべてをつくり出し、すべてを左右する。
もし人が、汚れた心で
話し、行動するならば
その人には苦しみ(※)がついてくる。
車輪が、荷車をひく牛の足跡についていくように。
心はすべてのものごとに先立ち
すべてを作り出し、すべてを左右する。
もし人が、清らかな心で
話し、行動するならば
その人には、幸せがついてくる。
影が、からだを離れることがないように。
※苦しみとは、原語では〈思い通りにならないこと〉を指す
因果は、どのような心を持って行動したのか、その心が一番重要な因となります。
その心次第で、後に自分に楽が訪れるのか、苦が訪れるのかが決まります。
対句
「あの人はわたしを罵(ののし)った。あの人はわたしを傷つけた。
あの人はわたしを負かした。あの人はわたしから奪った。」
こういう思いを抱く人からは
怨(うら)みはついに消えることはない。
「あの人はわたしを罵った。あの人はわたしを傷つけた。
あの人はわたしを負かした。あの人はわたしから奪った。」
そういう思いを抱かない人からは
怨みは完全に消える。
じつはこの世では
怨みが、怨みによって消えることは、ついにない。
怨みは、怨みを捨てることによってこそ消える。
これは普遍的真理である。
世の中
今まで怠(おこた)りなまけていた人も
今から励みつとめれば
雲間の月のように
世の中を照らすことができる
悪い行いをした人でも
善い行いでつぐなえば
雲間の月のように
世の中を照らすことができる
自分の行動が間違っていたと気づいたのならば、行動を改めるように励むこと、善い行いを積み重ねることで、人に、世の中に善い影響を与えることさえ可能になると説かれました。
ブッダ
人間に生まれることは得難(えがた)く
死すべき命を生きるのは難しい。
正しい教えを聴く機会は稀(まれ)で
ブッダ(※)が出現されることも稀である。
(※)ブッダとは、悟りを得た者、覚醒した者を指します。
(参考文献ー日常語訳ダンマパダ・ブッダの〈真理の言葉〉 / 今枝由郎訳 / 出版・トランスビュー)