恐れと失敗の克服・パラマハンサ・ヨガナンダの黄金律とその実践

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恐れのないことは第一の美徳

パラマハンサ・ヨガナンダは、自己実現の道を追求する人々にとって、不朽の導き手であり続けています。彼の著書「成功の黄金律」は、単なる成功哲学ではなく、内なる平和と幸福への道を照らす灯台です。特に、第3章「失敗癖を排除する」において、ヨガナンダは「恐れ」という人類共通の課題に深く切り込み、その克服方法を具体的に示唆しています。本稿では、ヨガナンダの言葉を深く掘り下げ、恐れの根源、その悪影響、そして克服のための実践的な方法を詳細に分析します。

恐れの正体・精神の毒薬としての認識

ヨガナンダは、恐れを単なる感情としてではなく、「精神上の毒薬」として捉えています。これは、恐れが人間の精神を蝕み、その成長と幸福を阻害する強力な負の力であることを示唆しています。万が一、恐れが警戒心を鎮静させる効果を持つ場合もあるものの、それは例外であり、ほとんどの場合、恐れは自己実現を妨げる最大の障壁となります。

恐れの最も恐ろしい点は、その自己増殖的な性質です。ヨガナンダは、恐れが「恐れの対象を磁石が鉄粉を引き寄せるように引き寄せる悪性の磁力」を生み出すと述べています。つまり、恐れていることが現実になる可能性を高めてしまうのです。これは、心理学でいう「自己成就予言」と類似しており、恐れが思考や行動を歪め、結果的に恐れていた事態を引き起こしてしまうことを意味します。

恐れの悪影響・心身への深刻なダメージ

ヨガナンダは、恐れがもたらす悪影響を多角的に分析しています。

  1. 苦しみの増幅・恐れは、肉体的、精神的な苦痛を増大させます。体の一部の痛みや、心が抱える苦悩を、まるで増幅器のように何倍にも拡大してしまうのです。これは、ストレス反応として知られる現象と関連しており、恐れによって交感神経が活性化され、痛覚が過敏になることが考えられます。
  2. 心臓、神経系統、脳への破壊的影響・恐れは、心臓の鼓動を速め、血圧を上昇させるなど、心臓血管系に負担をかけます。また、神経系統を緊張させ、脳の機能を低下させる可能性があります。長期的な恐れは、慢性的なストレス状態を引き起こし、心身の健康を損なう原因となります。
  3. 能力の阻害・ 恐れは、積極性、勇気、判断力、常識、意志力といった、成功に不可欠な能力を破壊します。恐れにとらわれると、新しいことに挑戦する意欲を失い、困難な状況に立ち向かう勇気が湧いてきません。また、冷静な判断を下すことが難しくなり、誤った選択をしてしまう可能性が高まります。
  4. 潜在意識の汚染・恐れは、潜在意識を汚染し、顕在意識の意欲的な努力を台無しにする可能性があります。潜在意識は、私たちの思考、感情、行動を無意識的にコントロールする領域です。恐れが潜在意識に根付いてしまうと、意識的に努力しても、無意識的な抵抗によって目標達成が妨げられてしまうことがあります。
  5. 直観力の遮断・恐れは、直観力にベールをかぶせ、自身が持つ全能のパワーと無敵の魂のパワーを密閉してしまいます。直観力は、論理的な思考だけでは到達できない洞察や創造性を生み出す源です。恐れによって直観力が遮断されると、新たな可能性を見出すことが難しくなり、自己成長の機会を逃してしまう可能性があります。
ヨガナンダ

恐れの根絶・克服のための実践的アプローチ

ヨガナンダは、恐れの克服は容易ではないものの、不可能ではないと強調します。彼は、恐れを根絶するための具体的な方法を以下のように提示しています。

  1. 意志力と判断力の総動員・ 何かがあなたを傷つけようと迫ってくるなら、じっと坐していてはなりません。意志力と判断力を総動員して、何かを冷静に、何かを急いで、とにかく何かをしてください。意志は行動を起こさせる原動力なのです。恐れを感じた時は、状況を冷静に分析し、具体的な行動計画を立て、実行に移すことが重要です。行動することで、無力感を克服し、自己効力感を高めることができます。
  2. 気晴らし・意識の転換・もしあなたが不健康や失敗への恐れに悩まされ、それを押しやることができないのであれば、あなたを夢中にする面白い本を読んだり、さらには、罪のない娯楽に熱中することであなたの気分を変えてください。そうすれば、心は恐れで悩まされることを忘れるでしょう。意識を恐れからそらすことで、一時的にでも恐れの支配から逃れることができます。これは、マインドフルネス瞑想の考え方と類似しており、現在の瞬間に集中することで、過去のトラウマや未来への不安から解放される効果が期待できます。
  3. 心理的戦略・根の切断・新しいエネルギーを取り入れられれば、さまざまな心理的戦略のショベルを手に取り、あなたの人生の土壌から失敗と不健康の根を削ぎ取ることができるのです。恐れの原因を特定し、それに対処するための具体的な戦略を立てます。例えば、失敗への恐れがある場合は、過去の失敗体験を分析し、成功体験を思い出すことで、自己肯定感を高めることができます。また、目標を細分化し、小さな成功を積み重ねることで、自信をつけることができます。
  4. 勇気の喚起と内なる平和への意識の移動・勇気を奮い起こすことで、また内なる完全な平和へと意識を移動させることによって、恐れを根絶してください。瞑想やヨガなどの実践を通じて、内なる平和を見出し、自己とつながることで、恐れを克服することができます。また、困難な状況に立ち向かう勇気を養うことも重要です。勇気は、恐れを感じながらも行動することから生まれます。
  5. 肯定的な交際・環境の影響力・ 病気や失敗の恐れをもたない健康で繁栄した人々と交際してください。周囲の環境は、私たちの思考や感情に大きな影響を与えます。肯定的な考え方を持つ人々と交流することで、希望や勇気をもらい、恐れを克服する力を得ることができます。

恐れとカルマ・過去からの影響と未来への責任

ヨガナンダは、恐れとカルマの関係についても言及しています。彼は、過去の経験が潜在意識に刻まれ、カルマとして未来に影響を与えると考えています。成功と失敗は、ある種の性向という種子の形で来世まで運ばれます。こうした過去の種子の性向は普通ひとつの生の中に隠されているのですが、発芽に好都合の要素が揃うとその姿を現わし始めます。つまり、過去のトラウマや失敗体験が、現在の恐れの原因となっている可能性があるのです。

また、ヨガナンダは、遺伝的な病気も、過去生のカルマと関連している可能性があると述べています。前世からの結核性向をもった受肉前の魂が、結核に罹患した家族のところへ引き寄せられるのであると。これは、単なる遺伝的な要因ではなく、魂の成長に必要な経験が、特定の環境を引き寄せていることを示唆しています。

しかし、ヨガナンダは、過去のカルマに囚われるのではなく、現在の行動によって未来を変えることができると強調します。どんなに健康でよく繁栄していようとも、誰も過去生のすべての種子を滅ぼさないかぎり、その将来が保証されることはありえません。たとえ今までに一度経験していたとしても、事故や病気を恐れてはなりません。むしろ恐れそのものを恐れてください。というのは恐れが事故や病気を繰り返しもたらす可能性があるからです。恐れぬことが、それらのやってくる道を逸らせるか、あるいは少なくともそのエネルギーを中立化してくれます。つまり、恐れを克服し、肯定的な思考を持つことで、未来のカルマをより良いものに変えることができるのです。

恐れのないこと・第一の美徳としての重要性

ヨガナンダは、恐れのないことを「第一の美徳」として位置づけています。これは、恐れを克服することが、自己実現の第一歩であることを意味します。恐れがない状態とは、困難な状況に立ち向かう勇気、未知の世界に挑戦する冒険心、そして自己の可能性を信じる自信に満ち溢れた状態です。

恐れのない状態になるためには、自己認識を深め、恐れの根本原因を理解することが重要です。また、瞑想やヨガなどの実践を通じて、内なる平和を見出し、感情をコントロールする力を養うことも有効です。さらに、肯定的な思考を意識的に実践し、自己肯定感を高めることで、恐れに打ち勝つことができます。

まとめ・恐れを克服し、真の成功への道を歩む

パラマハンサ・ヨガナンダは、恐れを克服することの重要性を強調し、そのための具体的な方法を提示しました。恐れは、単なる感情ではなく、私たちの心身を蝕み、自己実現を妨げる強力な負の力です。しかし、意識的な努力と実践によって、恐れを克服し、内なる平和と幸福に満ちた人生を送ることができます。ヨガナンダの教えを実践することで、私たちは恐れのない、真の成功への道を歩むことができるのです。

ABOUT ME
Shokey Hayashi
Shokey Hayashi
エクソシスト/ラジオニクス技法研究家
1965年、青森県に生まれ 幼少期から霊的な現象によるトラブルや病気、怪我に悩まされてきた。しかし、20歳のある日、イベント参加、会場で不思議体験、天からの稲妻エネルギーが降り注ぎ、脳から脊髄を貫くような衝撃を受け、霊能力が開花。その後、心理学と超能力の研究をスタート、現在は、霊能力と意識工学を融合させた。独自のラジオニクス技法をにて「ラジオニクス除霊」を確立。除霊、供養、癒しを超えた「運気の治療まで可能となる」
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