常陸国の神々・月水石神社・飯名神社

悠久の歴史と大地の息吹を感じる神秘の地
茨城県、その豊かな自然の中にひっそりと佇む月水石神社と飯名神社。これらの神社は、単なる信仰の場というだけではなく、筑波山の悠久の歴史と大地の息吹を肌で感じることができる、まさに神秘的なパワースポットです。数千万年という時を超えて存在する巨石(磐座)をご神体とし、古来より人々の祈りを集めてきたこれらの神社を訪れることは、日々の喧騒から離れ、自己を見つめ直す貴重な機会となるでしょう。
筑波山の成り立ちと大地の記憶
月水石神社と飯名神社の魅力を語る上で欠かせないのが、その背景にある筑波山の存在です。筑波山は、茨城県を代表する名山であり、古くから信仰の対象として崇められてきました。その美しい山容は、四季折々に表情を変え、訪れる人々を魅了し続けています。

筑波山は活火山ではなく、活断層も存在しない、非常に安定した山です。その山体は、地下深くでマグマがゆっくりと冷え固まってできた“斑レイ岩(はんれいがん)”と呼ばれる岩石で構成されています。この斑レイ岩は約7500万年前に形成されたものであり、筑波山は地上で噴火することなく、地下で固まったマグマの化石と言えるでしょう。
また、筑波山の周囲には花崗岩も見られます。こちらは約6000万年前にできたもので、筑波山の裾野には、山体の斑レイ岩が土石流などによって流れてきたと思われる大石がごろごろと転がっています。
茨城県には、日本で最も古い地層が存在し、その起源は約5億年前にまで遡ることができます。平磯海岸の岩礁で見られるアンモナイト、五浦海岸で発見されたムカシオオホホジロザメ、常陸大宮市で最近発見された古代ゾウのステゴロフォドン、そしてつくば市から土浦市を流れる花室川などを中心に数多く発見されているナウマンゾウなど、貴重な化石が数多く発見されており、茨城の大地が悠久の歴史を刻んできたことを物語っています。
およそ2万年前には、筑波山の周辺にもナウマン象が歩いていたと考えられています。当時の地球は最終氷期と呼ばれる寒冷な気候であり、現在の気候とは大きく異なっていました。
月水石神社と飯名神社でお祀りされている磐座には、これらの地層よりもさらに古い、7500万年を超える歴史があるのです。これらの磐座は、まさに地球の記憶を宿した存在と言えるでしょう。
月水石神社・静寂の中に佇む神秘の聖地

筑波山神社の一の鳥居から歩いて15分ほどの場所に、月水石神社はひっそりと佇んでいます。住宅地の中に案内板が設置されているものの、その存在は知る人ぞ知る隠れ家のような雰囲気です。

静かな民家の間を歩いていくと、木々に囲まれた場所にひっそりとご本殿が現れます。この場所は、まるで時間が止まったかのような、神秘的な雰囲気に満ち溢れています。月水石神社という美しい名前が示すように、この辺りの自然はキラキラと輝き、澄んだ空気が心身を浄化してくれるようです。

ご本殿の隣には、小さな祠が建てられています。そこに掲げられた社主による「月水石神社由来」によれば、この地は磐長姫命(いわながひめのみこと)の崩御の聖地であるとされています。

磐長姫命は、筑波山両神である諾冊二尊の第4御子であり、病によって筑波山に登ることができず、この地で崩御したと伝えられています。その後、筑波山両神の下命によって庶民の守護神になったと言われています。

諾冊二尊を磐長姫命の親神とする系譜は、記紀(古事記・日本書紀)とは異なる独自のものです。ただし、近年新たに建てられた「イワナガヒメの『謂われ』」では、記紀の系譜及び記述を踏襲したものになっています。筑波山両神の御子という伝承に、明治以降の神名を補足したと見ることもできるでしょう。

月水石神社のご本殿は、地元の方々によって大切にお祀りされています。そして、そのご神体こそが、非常に大きい斑レイ岩でできた磐座なのです。7500万年前の岩石が、今もなお神聖な存在として崇められている事実に、深い感銘を受けます。
この磐座には、月に一度赤い水が流れるという伝説があります。この伝説が女性と結びつき、お参りすると婦人病や不妊症にご利益があるとされています。

かつて、神社周辺には水辺があったと伝えられています。そして、筑波山の名の由来となった月、そしてこの巨石の磐座。この3つの要素が揃っていたことから、月水石神社という名前が付けられたと言われています。
月水石神社は、静かな感動を与えてくれる神秘の神社です。ぜひ一度訪れて、その空気を肌で感じてみてください。
飯名神社・筑波山最古の神社と伝わる古社の佇まい

月水石神社の近くには、飯名神社があります。早朝に訪れると、氏子の方々が境内を掃除している姿が見られました。清らかな空気があたりを包み込み、心が洗われるような感覚になります。

飯名神社の御祭神は、宇気母知神(保食神)と市杵嶋姫命(弁財天)です。
常陸国風土記(ひたちのくにふどき)の信太(しだ)群の章には、飯名神社と思われる社が記されています。

「その里の西方に飯名の社がある。これは筑波岳にいらっしゃる飯名の神の末社である。」
この記述から、飯名神社の創建は8世紀以前に遡る古社であり、筑波山では最も古い神社とも言われています。昔から神体山として崇められた筑波山の神の里宮として創建されたと考えられています。
飯名神社のご本殿も、地元の方々にとても大切にお祀りされていることが伝わってきます。そして、月水石神社と同じく、飯名神社のご神体も磐座なのです。こちらは女石と呼ばれており、7500万年以上前から存在する大きな斑レイ岩です。

飯名神社の境内には、この女石をはじめ、多くの巨石が点在しています。果てしない年月をかけて地球の営みによって作り上げられた巨石たちは、静かに耳を傾けると、その悠久の歴史を語りかけてくれるかのようです。

飯名神社の裏には、小川が流れています。この小川は、筑波山双峰の間にある御幸ケ原を源流とする男女の川(みなのがわ)の支流であると考えられています。
月水石神社と飯名神社・二つの神社を巡ることで得られる恩恵
月水石神社と飯名神社を両方訪れると、自分が積み重ねてきた努力が報われると言われています。
それぞれの神社には、異なるエネルギーが存在すると考えられています。月水石神社は、女性的なエネルギーに満ち溢れており、内なる美しさや創造性を引き出す力があると言われています。一方、飯名神社は、男性的なエネルギーに満ち溢れており、行動力や実行力を高める力があると言われています。
この二つのエネルギーをバランスよく取り入れることで、心身の調和が生まれ、自己実現へと繋がっていくと考えられています。
これらの神社を訪れることは、単なる観光旅行ではありません。それは、大地の記憶に触れ、自己を見つめ直す、特別な体験となるでしょう。
筑波山の恵みと茨城の歴史
筑波山の恵みは、月水石神社や飯名神社に留まらず、茨城県全体に及んでいます。豊かな自然は、人々の生活を支え、歴史と文化を育んできました。
茨城県は、古代から交通の要衝として栄え、多くの文化が交流してきました。古墳時代には、多くの古墳が築かれ、その中からは貴重な遺物が出土しています。また、中世には、水戸藩が置かれ、独自の文化が発展しました。
現代においても、茨城県は農業や工業が盛んであり、日本の経済を支える重要な地域となっています。
月水石神社と飯名神社は、茨城県の歴史と文化を象徴する存在であり、その価値は計り知れません。これらの神社を訪れることは、茨城県の魅力を再発見する旅となるでしょう。
訪れる人々へのメッセージ・悠久の時を超えて、あなた自身の物語を紡ぐ
月水石神社と飯名神社は、悠久の時を超えて、今もなお人々の心を癒し、勇気づけてくれる場所です。
日々の生活の中で、私たちは様々な困難に直面し、迷いや不安を感じることがあります。そんな時、これらの神社を訪れ、静かに祈りを捧げることで、心の中に安らぎが訪れ、新たな一歩を踏み出す勇気が湧いてくるでしょう。
これらの神社は、あなた自身の物語を紡ぐための、特別な場所となるはずです。大地の記憶に触れ、自己を見つめ直すことで、新たな発見や気づきを得られるかもしれません。
月水石神社と飯名神社は、あなたを温かく迎え、そっと背中を押してくれるでしょう。ぜひ一度訪れて、その神秘的なエネルギーを肌で感じてみてください。そして、あなた自身の物語を紡いでください。あなたの努力は必ず報われるでしょう。
まとめ
月水石神社と飯名神社は、筑波山の豊かな自然と悠久の歴史に育まれた、神秘的なパワースポットです。数千万年という時を超えて存在する巨石(磐座)をご神体とし、古来より人々の祈りを集めてきたこれらの神社を訪れることは、日々の喧騒から離れ、自己を見つめ直す貴重な機会となるでしょう。筑波山を訪れる際には、ぜひこれらの神社にも足を運び、大地の息吹を感じてみてください。あなたの人生に、きっと新たな光が差し込むはずです。