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2・江戸時代の究極の開運方法「食は運なり」

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水野南北の「食」の教え・人生を拓く食養生

水野南北先生は、江戸時代に実在した相術家であり、その著書『南北相法極意修身録』は、人間の運命と食の関係について深く掘り下げた、非常に興味深い内容を含んでいます。南北先生は、単なる健康論を超え、人の貴賤、運命、さらには世界の平和に至るまで、その根源を「食」に見出しました。本稿では、南北先生の教えを詳細に解説し、現代におけるその意義について考察します。

1. 食が人の貴賤を定める・飲食の慎みの重要性

水野南北先生は、「人の貴くなること、また賤しくなることは、みな飲食の慎しみにあるべし」と喝破しました。この言葉は、人がいかに生きるか、どのような人生を歩むかは、日々の食事のあり方によって大きく左右されるという、極めて重要な洞察を示しています。

  1. 貴人の食・ 南北先生が言う「貴人」とは、単に身分が高い人ではなく、徳があり、知恵に優れ、人々に尊敬されるような人物を指します。これらの人々は、常に節度ある食事を心がけています。彼らは、食欲のままにむやみに食べることなく、必要な量を把握し、心身を養うための食事を実践します。このような節制は、心身のバランスを保ち、冷静な判断力を養い、知恵を深め、結果として人としての品格を高めます。
  2. 賤人の食・ 一方、「賤人」とは、自己中心的で欲深く、周囲の人々から尊敬を得られないような人物です。彼らは、食欲をコントロールすることができず、常に満腹になるまで食べ続け、時には食べ物を粗末に扱います。このような食生活は、心身のバランスを崩し、判断力を鈍らせ、愚かな行動を招きます。結果として、運命は衰退し、周囲からの信頼も失ってしまいます。
どん兵衛
どん兵衛
みどり
みどり

南北先生は、名僧や博学の僧侶を例に挙げ、飲食の慎みの重要性を強調しています。たとえ知識や地位があっても、食を慎まない者は尊敬されず、天から見放されると述べました。この教えは、食が単なる栄養補給ではなく、人格形成、ひいては運命を左右するほどの影響力を持っていることを示唆しています。

2. 大食は不運を招く・腹八分目のすすめ

水野南北先生は、大食が不運を招く根本原因であると指摘しました。「分限より大食の者は運よろしからず」という言葉は、腹八分目を守らないことが、いかに人生を損なうかを示しています。

  1. 直感力の低下・ 食べ過ぎると、血液が消化器官に集中し、脳への血流が低下します。その結果、思考力が鈍り、直感やひらめきが失われます。人は、重要な決断を迫られた際、直感やひらめきに頼ることがありますが、大食によってこの能力が損なわれると、誤った選択をしてしまう可能性が高まります。
  2. 行動力の低下・ 食べ過ぎは、胃腸に負担をかけ、身体を重く感じさせます。その結果、行動力が低下し、やるべきことを先延ばしにしてしまったり、チャンスを逃したりすることがあります。
  3. 損失の増加・ 南北先生は、大食の人は「不事の損失多かるべし」と述べています。これは、食べ過ぎによって判断力が鈍り、不必要な出費をしたり、投資に失敗したり、チャンスを逃したりする結果、様々な損失に見舞われることを意味します。
ミー
ミー
ジョージ
ジョージ

腹八分目を守ることは、単に健康を維持するだけでなく、直感力や行動力を高め、人生における様々な損失を防ぐための重要な生活習慣なのです。

3. 食は天との契約・食の借りの恐ろしさ

水野南北先生は、「天より享け得たる所の究まりあるものは食なり」と述べ、食を天からの授かりものとして捉えています。そして、「これを余けいに食するときは日々天に食の借を生ずる」と警告しました。

福富和尚
福富和尚
  1. 食の浪費・ 私たちが日常的に食べる食物は、天の恵みであり、自然界のエネルギーが凝縮されたものです。必要以上に食べ過ぎることは、この貴重な資源を無駄にすることであり、天からの恵みを粗末にする行為とみなされます。
  2. 借りとしての負債・ 天から与えられた食を無駄にすると、天に借りを作ることになります。そして、その借りはいずれ返さなければなりません。南北先生は、この借りについて、「人は催促すれども、天は乞わずして取り立てたまう」と述べています。これは、天からの取り立ては、人間のような直接的な催促ではなく、思いがけない不運や災厄、健康問題、経済的な困窮などの形で現れるということを示唆しています。
  3. 子孫への影響・ もし、その借りを本人一代で返せなければ、子孫にまでその影響が及ぶと南北先生は警告しています。そして、子孫がいない場合には、家が滅亡する可能性さえ示唆しています。これは、食の浪費が、個人だけでなく、家系全体に深刻な影響を及ぼすという、非常に厳しい教えです。

4. 食を慎むと運が開ける・気・血・水の循環

水野南北先生は、「飲食を慎しむ時は血色宜しく成って運自ら開く」と述べました。これは、食を慎むことで、心身のバランスが整い、運命も好転するという教えです。

みどり
みどり
  1. 東洋医学の視点・ 南北先生のこの教えは、東洋医学の考え方とも合致しています。東洋医学では、人の健康は、気・血・水のバランスによって維持されると考えます。気は生命エネルギー、血は血液、水は体液を指します。過食は、これらのバランスを崩し、健康を損なうだけでなく、運気の流れも悪くするとされています。
  2. 五臓の活性化・ 食を慎み、腹八分目を守ることで、消化器官の負担が軽減され、五臓(肝、心、脾、肺、腎)の機能が活性化します。五臓が健やかに働くと、気・血・水の流れがスムーズになり、心身ともに活力がみなぎります。
  3. 運気の好転・ 気・血・水の循環が良くなると、体内のエネルギーが満ち溢れ、精神的にも安定します。それにより、直感力や行動力が高まり、困難を乗り越え、チャンスを掴むことができるようになります。その結果、運命も自然と好転していきます。
  4. 3年間の実践・ 南北先生は、この効果を実感するために、まず3年間、真剣に食を慎むように勧めています。そして、「若し運気開かざれば天地に理なし」とまで断言しています。これは、食を慎むことが、運命を切り開くための最も効果的な方法の一つであることを示唆しています。

5. 食を慎む際の心の持ち方・欲からの解放

水野南北先生は、食を慎む際には、心の持ち方も重要であると述べています。単に食事の量を減らすだけでなく、食に対する執着や欲を捨てることが大切であると説いています。

はな
はな
  1. 欲の囚われ・ 「食べたい。食べたいのに食べてはいけない」という気持ちは、食欲という欲に囚われている状態です。このような状態では、ストレスを感じ、食の制限が苦痛になってしまいます。
  2. 楽しみとしての食・ 南北先生は、「小食を自己の楽しみにできれば、心安らかに慎しむことができます」と述べています。これは、食の制限を苦痛と感じるのではなく、むしろ、体が軽くなることや、心身が健やかになることを楽しむべきだという教えです。
  3. 潜在意識の書き換え・ 食事の量を少しずつ減らし、「それほど食べなくても元気で、むしろ快適だ」と潜在意識を少しずつ書き換えていくことが重要です。そうすることで、食に対する執着心が薄れ、自然と小食を実践できるようになります。
  4. 欲の手放し・ 食欲という欲を手放すことは、他の欲も手放すことにつながります。そして、欲から解放されることで、心が安らぎ、精神的な成長を促すことができます。

6. 実践的な教え・一飯一菜、塩の重要性、ご馳走を残す陰徳

水野南北先生は、具体的な実践方法についても言及しています。

ポン
ポン
  1. 飯一菜のすすめ・ 日常の食事は、粗食を心がけ、一飯一菜(ご飯一膳と総菜一品)を基本とすることを推奨しています。質素な食事は、消化器官への負担を軽減し、身体を健やかに保つ効果があります。
  2. 塩の重要性・ 塩は、五穀と同様に大切なものであり、粗末に扱ってはならないと説いています。塩は、生命活動に不可欠なミネラルを含んでおり、適量を摂取することで、健康を維持することができます。
  3. ご馳走を残す陰徳・ 人からご馳走になった際は、腹八分目を守り、無理に食べないことが大切です。残した料理は、無駄になるのではなく、陰徳を積む行為として捉えるべきであると述べています。

7. 時間と運命・夜業朝寝の害、早起きのすすめ

水野南北先生は、食だけでなく、時間の使い方についても重要な教えを説いています。

ブラウン
ブラウン
  1. 夜業朝寝の害・ 夜遅くまで働き、朝寝坊をすることは、心身のバランスを崩し、運気を下げる原因であると指摘しました。夜は体を休める時間であり、夜に活動することは、自然の摂理に反する行為です。
  2. 早起きのすすめ・ 早起きは、心身を健やかにし、運気を高める行為であると述べました。朝日を浴びることは、体内時計を整え、ホルモンバランスを調整し、心身ともに活力を与えます。

8. 陰徳と因縁・食を慎むことの重要性

水野南北先生は、悪い因縁を解くには、陰徳を積むしかないと述べています。そして、その中でも、食を慎むことが最も効果的な陰徳であると説きました。

ポン
ポン
  1. 陰徳の重要性・ 陰徳とは、人知れず善行を積むことであり、目に見える善行よりも、より大きな功徳をもたらすとされています。
  2. 食を慎む陰徳・ 食を慎み、食べ物を粗末にしないことは、天への感謝の気持ちを表す行為であり、大きな陰徳を積むことにつながります。
  3. 因縁の解消・ 日々の食事を慎むことで、悪い因縁を解き、子孫の運命を好転させることができると説きました。

9. 厄年と食・日頃の食生活が重要

水野南北先生は、厄年の災難についても言及し、日頃の食生活が重要であると説きました。

ミー
ミー
  1. 厄年の災難・ 厄年(男性42歳、女性33歳)は、人生において大きな転換期であり、様々な災難が起こりやすいとされています。
  2. 日頃の食生活の重要性・ 普段から食を慎み、健康的な生活を送っている人は、厄年の災難を免れる可能性が高いと述べました。反対に、食生活が乱れている人は、厄年に災難に見舞われる可能性が高いと警告しました。

10. 食を神に献ずる:願いを叶える力

水野南北先生は、食を神に献ずる行為は、願いを叶える力があると説きました。

オグリ
オグリ
  1. 食を命と捉える・ 食は、命を養うための基本であり、食を神に献ずることは、自分の命を捧げることに等しいと捉えるべきです。
  2. 神への誠実さ・ 神に献ずる食は、自身が普段食べているものから選ぶべきであり、自分の欲を満たした後に、余ったものを献じるのでは、神の喜びにはならないと説いています。
  3. 願いの成就・ 食を神に献じ、誠実な心で祈ることで、様々な願いが叶えられると述べています。

11. 食を慎むことが世界平和につながる:欲のコントロール

水野南北先生の教えは、個人の運命を好転させるだけでなく、世界平和にもつながると言えます。

ジョージ
ジョージ
  1. 食欲のコントロール・ 食欲は、人間の根源的な欲求の一つであり、食欲をコントロールすることは、他の欲もコントロールすることにつながります。
  2. エゴからの脱却・ 食欲をコントロールすることで、自己中心的 な考え方を改め、他者を思いやる心を持つことができるようになります。
  3. 平和の実現・ 世界中の人々が、食欲をコントロールし、欲望を抑えることができれば、争いや戦争もなくなり、平和な世界を実現することができるでしょう。

12. 現代における意義:食生活の見直し

水野南北先生の教えは、現代においても、その意義を失っていません。

福富和尚
福富和尚
  1. 飽食の時代・ 現代社会は、飽食の時代であり、過食や偏食による健康問題が深刻化しています。
  2. 食の乱れ・ 添加物や加工食品が氾濫し、食の安全も懸念されています。
  3. 精神的な不安定・ ストレス社会の中で、精神的に不安定な人も増えています。

南北先生の教えは、これらの現代社会の問題を解決するヒントを与えてくれます。

みどり
みどり
  1. 健康的な食生活の実践・ 腹八分目を守り、バランスの良い食事を心がけることは、健康維持に不可欠です。
  2. 食への感謝・ 食材や料理を作ってくれた人への感謝の気持ちを忘れないようにすることが大切です。
  3. 精神的な安定・ 食欲をコントロールすることは、自制心や忍耐力を養い、精神的な安定にもつながります。
  4. 持続可能な社会の実現・ 食品ロスを減らし、地球環境に配慮した食生活を実践することが重要です。

まとめ

水野南北先生の「食」に関する教えは、単なる健康論ではなく、人生観、倫理観、そして宇宙観にもつながる深遠なものです。食という日常的な行為を通して、人生を豊かにし、より良い人間へと成長するための道を示しています。先生の教えを参考に、日々の食生活を見つめ直すことは、より良い人生を送るための一歩となるでしょう。そして、その実践は、個人だけでなく、社会全体、ひいては世界の平和にも貢献する可能性を秘めています。

(参考文献)
・南北相法極意修身録 全四巻合本 人間医学社版

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林 尚慶
林 尚慶
現代陰陽師・ラジオニクス技法研究家
1965年、青森県に生まれ 幼少期から霊的な現象によるトラブルや病気、怪我に悩まされてきた。しかし、20歳のある日、イベント参加、会場で不思議体験、天からの稲妻エネルギーが降り注ぎ、脳から脊髄を貫くような衝撃を受け、霊能力が開花。その後、心理学と超能力の研究をスタート、現在は、霊能力と意識工学を融合させた。独自のラジオニクス技法をにて「ラジオニクス除霊」を確立。除霊、供養、癒しを超えた「運気の治療まで可能となる」
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