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巨石が坐す神秘の神社。月水石神社(がっすいせきじんじゃ)・飯名神社(いいなじんじゃ)
筑波山の大岩
筑波山は活火山ではなく、活断層もありません。噴火しない安全な山です。
筑波山の山体は“斑レイ岩(はんれいがん)”という、地下深くにおいてマグマが冷え固まってできた岩石でできています。
筑波山は地上で噴火せず、地下で固まったマグマの化石です。“斑レイ岩”はおよそ7500万年前にできました。
【斑レイ岩】
また筑波山周囲には花崗岩が見られます。花崗岩は約6000万年前にできました。
筑波山のすそ野には、斑レイ岩の大石がごろごろあります。山体の斑レイ岩が土石流などで流れてきたものです。
茨城県には日本で最も古い地層があり,大地の起源は約5億年前にまでさかのぼることができます。
平磯海岸の岩礁でみられるアンモナイト,五浦海岸で発見されたムカシオオホホジロザメ,常陸大宮市で最近発見された古代ゾウのステゴロフォドン,つくば市から土浦市を流れる花室川などを中心に数多く発見されているナウマンゾウなどの貴重な化石も,茨城の大地を語るうえでは欠かせないものです。
2万年くらい前には筑波周辺にもナウマン象が歩いていたのです。
このころ地球の気候は最終氷期(※)でした。
※最終氷期:7万年前に始まって1万年前に終了した一番新しい氷期のこと。
そして今回ご紹介する神社でお祀りされている磐座(いわくら)には、7500万年を超える歴史があるのです。
筑波山神社一の鳥居から15分ほど歩くと月水石(がっすいせき)神社があります。
月水石神社
(茨城県つくば市筑波1291)
住宅地の中に、案内が数か所あります。
静かな民家の間を歩いていきます。
ご本殿が見えてきました。
とても神秘的な雰囲気が漂う場所です。月水石神社という美しい名前のように、この辺りの自然はキラキラと輝いています。
空気が美味しく、頭もシャッキリとします。
ご本殿の隣には小さな祠があります。
掲げられた社主による「月水石神社由来」によれば、当地は磐長姫命(いわながひめのみこと)の崩御の聖地です。
磐長姫命は筑波山両神である諾册二尊の第4御子であり、病によって登ることが出来ず、この地で崩御した。その後、筑波山両神の下命によって庶民の守護神になったという。
諾册二尊を磐長姫命の親神とする系譜は、記紀と異なる独自のものである。
ただし新たに建てられた「イワナガヒメの『謂われ』」では、記紀の系譜及び記述を踏襲したものになっている。筑波山両神の御子という伝承に、明治以降の神名を補足したと見ることもできる。
【ご本殿】
地元の方々に大切にお祀りされています。
ご神体は磐座(いわくら)です。非常に大きい斑レイ岩です。7500万年前のものです。
磐座には穴があって月に一度赤い水が流れるという伝説があります。それが女性と結びついてお参りすると婦人病や不妊症にご利益があるとされています。
【ご神体である磐座】
かつて神社周辺に水辺がありました。そして筑波の名の由来となった月。それとこの巨石の磐座。この3つが揃っていた月水石神社。
静かな感動を与えてくれます。ぜひとも訪れたい神秘の神社です。
そして月水石神社の近くに飯名神社があります。
飯名神社
(茨城県つくば市臼井1番地1)
早朝に訪れましたが、氏子の方々が大掃除をされていました。
清らかな空気があたりを包みます。
御祭神 : 宇気母知神(保食神)、市杵嶋姫命(弁財天)
常陸国風土記(ひたちのくにふどき)の信太(しだ)群の章に飯名神社と思われる社が記されていました。
その里の西方に飯名の社がある。これは筑波岳にいらっしゃる飯名の神の末社である。
これによると創建は8世紀以前に遡る古社であり、ここから飯名神社は筑波山では最も古い神社ともいわれています。
昔から神体山として崇められた筑波の神の里宮として創建されました。
【ご本殿】
月水石神社と同じく、地元の方にとても大切にお祀りされている古社です。
また飯名神社のご神体も月水石神社と同じく、磐座です。女石と呼ばれています。7500万年以上前から存在する大きな斑レイ岩です。
【奥の磐座:祠が乗っているご神体、女石。手前の石碑:神社の説明碑。】
巨石が境内の至るところにあります。
果てしない年月をかけ地球の営みによって作り上げられた巨石。静かに耳を傾けると、その悠久の歴史を語りかけてくれそうです。
裏には小川が流れています。筑波山双峰の間にある御幸ケ原を源流とする男女の川(みなのがわ)の支流のようです。
月水石神社と飯名神社を両方訪れると、自分が積み重ねてきた努力が報われます。
あなたの努力が具現化されます。