霊障の真実・幕末の未成仏霊2

  • 2021年6月6日

宴の夜

 

幕末の志士のご供養が終わり、セッションルームを後にして、林さんと帰路についていた時のことでした。

日本の平和に貢献した志士に気を遣って、いつもより時間をかけてご供養したため、林さんの顔の表情から疲労していることがうかがえます。

お酒を味合わせるために、自分が器になりながら行う調整は、実は相当疲れるものだったのではないかと思って歩いていると、声が聞こえてきました。

 

 

「宴会…」

話しかけてくる声の雰囲気から、さきほどの幕末の志士だとわかります。

懐かしい口調です。

疲労している林さんに気を遣ってか、私に聞こえるように話しかけてきます。

「宴会…」

 

まだ成仏したばかりで、数日間はあの世とこの世を行ったり来たりできるらしく、今日はめでたい日だから仲間とこの世で宴会したいのだそうです。

 

「宴会」と話しかけてきた理由は、

「宴会を開くから、つきあってほしい。宴会用の酒や肴を用意をしてほしい。」

ということだとわかりました。

林さんとスーパーに寄り、日本酒とおつまみを買います。

おつまみは江戸時代の居酒屋でも出されていた刺身、メザシ、アジの干物、たくわん、豆腐などです。

帰宅後、簡単に調理しそれらをテーブルの上に並べました。

 

 

するとすぐに宴会が始まりました。

音楽もかけていない部屋の中はしんと静かなはずなのに、頭の上からは酒宴が繰り広げられている様子が聞こえてきました。

ガヤガヤとものすごくにぎやかです。

楽しそうな話し声が聞こえ、盛り上がっている様子が伝わります。

 

そしてさすがは江戸時代の人だなと思ったことがありました。

それは、女性である私は同席することを許されなかったことです。

宴会の食事の準備が終わり椅子に座ろうとすると、「それはならぬ」という指示が届きました。

江戸時代は男性至上主義であり、男尊女卑が色濃い時代だったと聞きますが、ああこの時代は本当にそうだったのだなあと再認識させられました。

 

 

宴会が始まってからずいぶん時間が経ち、林さんもさすがにクタクタになったころ、お開きになったらしく急に静かになりました。

そして、「お墓」

という声が再び聞こえてきました。

今回も林さんに遠慮して、私に向けて発せられているようです。

どうやら今度はお墓に行ってほしいということなのですが、志士のお墓を調べると全国に数か所あります。

どのお墓のことだろうと迷っていると、「○○」という場所を指定されました。

調べてみるとそこは、志士が命を落とした場所の一番近くにあるお墓で、今は地元に人たちによって管理されていました。

写真を見ると、薄暗い雰囲気がしています。

 

そして次の日、お墓に向かうことになったのでした。

林さんがこのお墓に行くことが、志士にとって重要な意味があることを、訪れてみて初めて知ることになるのでした。

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