常陸国の神々・筑波山神社

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古代からの祈りと自然の息吹に触れる旅

日本の歴史と文化が色濃く残る常陸国(ひたちのくに)、現在の茨城県。その魅力は、単に全国魅力度ランキングの低さというステレオタイプに留まるものではなく、肥沃な大地と豊かな海が育む恵み、そして何よりも古来より息づく神々の存在に深く根ざしています。今回は、そんな常陸国の象徴とも言える筑波山神社を訪れ、その歴史と自然、そして神々の息吹に触れる旅をご紹介します。

茨城県の知られざる魅力:豊かな恵みと温かい人々


茨城県は、全国的に見て魅力度が低いと評されることもありますが、それは表面的な印象に過ぎません。豊かな大地は、米や野菜、果物など、様々な農作物を育み、太平洋に面した海岸線は、親潮と黒潮が交わる豊かな漁場となり、多様な海の幸をもたらします。その漁獲量は日本でも上位に位置し、特に冬の味覚として名高い「あんこう鍋」は、「東のあんこう、西のふぐ」と並び称されるほどの美味です。

しかし、茨城県の魅力は、単に食の豊かさだけではありません。実際にこの地を訪れてみると、そこに住む人々の温かさに触れることができます。出会う人々は穏やかで、親切で、心から寛ぐことができるような雰囲気を持っています。彼らの優しさに触れることで、茨城県に対する印象は大きく変わるでしょう。

そして、茨城県のもう一つの魅力は、歴史の深さです。古墳や貝塚などの遺跡が数多く存在し、古代からの人々の営みを物語っています。また、由緒ある神社が点在し、それぞれの神社の背後には、深い歴史と信仰の物語が隠されています。全国の神社を巡る中で、何度も訪れたいと思う場所は数多くありますが、茨城県もその一つに加わりました。

常陸国風土記・古代の息吹を伝える貴重な記録

常陸国の歴史を語る上で欠かせないのが、「常陸国風土記」です。和銅3年(710)年に都が平城京に遷されてから3年後、和銅6年に詔(みことのり)が下され、畿内七道諸国・群・郷の名に好い字をつけ、郡内の物産品目を具体的に書き上げ、土地の肥沃度合を記し、山川原野の名称を由来を記し、古老の伝えるその他の伝承を録して言上することが求められました。この詔に応じる形で諸国から報告された記録が「風土記」です。

しかし、残念ながら、現存している風土記はわずか5カ国しかありません。そのうちの一つがこの常陸国風土記であり、古代の神話や伝説、社会のありさまを伺える非常に貴重な資料となっています。そこには、生きた人々の声、信仰の形、自然との関わりが鮮やかに描かれており、現代に生きる私たちに、忘れ去られた古代の息吹を伝えてくれます。

筑波山と筑波郡・古代からの信仰の地

筑波エクスプレスTX

筑波エクスプレスTXで秋葉原まで45分という近さでありながら、大学や先端技術の研究施設が集まる街、筑波。その筑波に関する記述が常陸国風土記の中に残されています。

風土記には、次のような記述があります。「古老は次のように言っている。筑波の県(あがた)は、昔、紀の国といっていた。美万貴の天皇(崇神天皇)の治政下に、采女臣(※1うねめのおみ)と同族である筑簟命(つくはのみこと)を紀の国の国造(くにのみやつこ)として遣わされたとき、この筑簟命が『私の名前をこの国の名に着けて、後のちの世まで伝えさせたいものだ』と言って、それまでの紀を改めて、筑波と称したといいます。」

※采女臣(うねめのおみ)は物部(もののべ)氏と同族である。物部氏は大和国山辺郡・河内国渋川郡あたりを本拠地とした有力な豪族で、神武天皇よりも前にヤマト入りをした饒速日命が祖先と伝わる天孫族系の神別氏族である。

筑波山神社のご由緒にも、筑簟命(つくはのみこと)以降、筑波一族が祭政一致で筑波山神社に奉仕したと記されています。つまり、筑波という地名は、古代の豪族の名前に由来し、その一族がこの地を治め、神を祀り続けた歴史を物語っているのです。

筑波山神社・紫峰に鎮座する二神の社

筑波山神社(茨城県つくば市筑波1番地)は、関東地方に人が住むようになったころから、信仰の対象として仰がれてきた、歴史ある神社です。その御祭神は、筑波男大神である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と、筑波女大神である伊弉冊尊(いざなみのみこと)。それぞれ、男体山(なんたいさん)871mと女体山(にょたいさん)877mの山頂に祀られています。

筑波山は、北東に、すっくと立つ優雅な山容が特徴で、古来より高貴な色、紫で表され「紫の山」「紫峰」と呼ばれてきました。万葉集には「二神の貴き御山と神代より人の言い継ぎ」と崇められているように、古代山岳信仰に始る国内屈指の古社です。

御山から受ける恵みの数々は、まさに神からの賜物であり、その山容が二峰相並ぶため、それぞれの磐座に自然に男女二柱の祖神が祀られることとなりました。

境内を巡る:歴史と信仰の足跡を辿る

筑波山神社の境内には、数々の歴史的な建造物や自然が点在し、訪れる人々を魅了します。

隋神門・ 寛永10年(1633年)に建立された山門は、三代将軍の徳川家光から贈られたものです。2度の焼失に遭い、現在の姿は文化8(1811年)に再建されたものですが、その風格は今もなお、訪れる人々を圧倒します。この山門より本殿のある2峰の頂上までが筑波山神社の境内となります。

豊木入日子命(とよきいりひこのみこと)・ 筑波山神社の境内には、豊木入日子命を祀る場所もあります。豊木入日子命は、神武天皇の兄にあたり、大和朝廷成立以前の信仰に深く関わる神様です。

ご神橋・ 31年ぶりに修理され、2019年11月1日に公開されたご神橋は、1633(寛永10)年の建築とされる県指定文化財で、長さ7.3メートル、幅3メートル。大きく反った形をしています。今回の修復では漆塗りに美しく塗装され、その美しさを取り戻しました。年に4日間、参拝者の通行が許され、春と秋の「御座替祭(おざがわりさい)」と「年越祭(としこしさい)」の際に、その橋を渡ることができます。筑波山神社は3000年ほどの歴史を持ちますが、徳川家から格別な庇護を受けました。このご神橋の正面には「寛永10年11月吉日 三代将軍徳川家光公奉納」と刻まれており、江戸城から見て鬼門の方角にある筑波神社を、幕府が江戸の鬼門を護る神山として神領千五百石を献じたことがわかります。

樹齢800年の大杉・ 境内にそびえ立つ樹齢800年の大杉は、長い年月を経て、その生命力と存在感で訪れる人々を圧倒します。その太い幹は、まるで歴史を語りかけるかのように、静かに佇んでいます。

拝殿・ 参拝の中心となる拝殿は、厳かな雰囲気に包まれています。12月に訪れたこの日は茅の輪(ちのわ)が出ており、茅の輪をくぐり、穢れを祓い身を清めることができました。

拝殿のシンボル、大鈴・ 拝殿には、大きな鈴が吊り下げられています。この鈴を鳴らすことで、神様に参拝の意を伝え、自身の心を清めることができます。

末社・日枝神社・ 境内には、日枝神社をはじめとする末社も祀られています。日枝神社は、大山咋神を祀り、山の神、地の神として信仰されています。

山頂を目指して・神様が鎮座する場所へ

筑波山神社に参拝する際は、ぜひ山頂の男体山ご本殿、女体山ご本殿を訪れてください。そこには、神様が鎮座し、訪れる人々を見守っています。山頂近くまで、ロープウェイやケーブルカーで上ることができますが、もちろん麓の筑波山神社から登山することもできます。「西の富士、東の筑波」と富士山と並び称される筑波山ですが、日本百名山の中でも、標高が低く、比較的気軽に登山が楽しめる山としても有名です。

女体山と男体山を結ぶ山頂連絡路の中間地点には、御幸ヶ原があります。御幸ヶ原には茶屋などがあり休憩することができます。御幸ヶ原からご本殿まではそれぞれ15分ほどですが、自力で岩場を登る必要があるので、登山靴などの装備が最適です。この日は小雪が舞うあいにくの曇り空でしたが、それでも登山客でにぎわっていました。

山頂からの眺め・神々の息吹を感じる

セキレイ石・ ケーブルカー山頂駅から尾根沿いに女体山頂に向かう登山コース上にある、斑レイ岩の岩塊です。この石の上に鶺鴒(せきれい)という鳥が止まり、男女の道を教えたという言い伝えがあります。

磐座にご鎮座する祠・ 山頂付近には、磐座にご鎮座する祠が点在し、古代からの信仰の形を今に伝えています。

男体山ご本殿・ 男体山の山頂に鎮座するご本殿は、力強いエネルギーに満ち溢れています。

女体山ご本殿・ 男体山ご本殿から女体山ご本殿に向かいます。30分ほど歩くと、女体山の山頂に到着します。女体山の山頂に鎮座するご本殿は、優しく癒されるエネルギーに満ち溢れています。

それぞれ降りてくるエネルギーは質が全く異なります。女体山はその名の通り、優しく癒されるエネルギーが降り注ぎ、男体山はやはりその名の通り、力強いドンとしたエネルギーが降りてきます。筑波山神社は、このご本殿を訪れてこそ、その真髄に触れることができると言えるでしょう。ぜひ体調が良く、天気の良い日に参拝ください。

筑波山山頂からの眺め・絶景が広がる

筑波山の山頂からは、関東平野を一望できる絶景が広がります。天候の良い日には、遠く富士山を望むこともできます。その景色を眺めていると、心が洗われるような清々しい気持ちになります。

筑波山神社・自然と歴史、神々の息吹が調和する場所

筑波山神社は、古代からの歴史と信仰、そして豊かな自然が調和した、特別な場所です。その神聖な空気に触れることで、日々の喧騒から離れ、心の平穏を取り戻すことができるでしょう。ぜひ一度、筑波山神社を訪れ、その魅力に触れてみてください。

常陸国の神々を巡る旅新たな発見を求めて

筑波山神社は、常陸国に点在する数多くの神社の一つに過ぎません。この地には、鹿島神宮、息栖神社など、古代からの歴史を持つ神社が数多く存在し、それぞれが独自の神話と信仰を伝えています。これらの神社を巡る旅は、日本の歴史と文化を深く理解する上で、貴重な経験となるでしょう。

そして、茨城県の魅力は、神社だけではありません。美しい自然、美味しい食べ物、温かい人々との出会いなど、様々な魅力があなたを待っています。ぜひ一度、茨城県を訪れ、新たな発見を求めて旅をしてみてください。きっと、忘れられない思い出となるでしょう。

この旅を通して、あなたは、茨城県の本当の魅力に気づき、この地を愛するようになるでしょう。そして、常陸国の神々の息吹を感じながら、新たな自分を発見することができるでしょう。

あまたの古社が守る常陸国(ひたちのくに)

常陸国(ひたちのくに)は現在の茨城県を指します。

ABOUT ME
Shokey Hayashi
Shokey Hayashi
エクソシスト/ラジオニクス技法研究家
1965年、青森県に生まれ 幼少期から霊的な現象によるトラブルや病気、怪我に悩まされてきた。しかし、20歳のある日、イベント参加、会場で不思議体験、天からの稲妻エネルギーが降り注ぎ、脳から脊髄を貫くような衝撃を受け、霊能力が開花。その後、心理学と超能力の研究をスタート、現在は、霊能力と意識工学を融合させた。独自のラジオニクス技法をにて「ラジオニクス除霊」を確立。除霊、供養、癒しを超えた「運気の治療まで可能となる」
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