常陸国の神々・東国三社参り

東国三社参り・人生を導く神秘の旅
新年、新たな気持ちでスタートを切るために、古来より人々が特別なパワーを感じてきた場所を訪れてみませんか。今回ご紹介するのは、日が昇る東にあるすべての始まりの地、常陸国(現在の茨城県)を中心に、千葉県を含むエリアに点在する三つの古社を巡る「東国三社参り」です。鹿島神宮、香取神宮、息栖神社の三社を参拝することで、関東随一のパワースポットを巡り、心身を清め、未来への活力を得ることができます。
東国三社参りとは? 忘れられた古の信仰と現代を結ぶ旅
東国三社参りとは、茨城県鹿嶋市に鎮座する鹿島神宮、同じく茨城県神栖市に鎮座する息栖神社、そして千葉県香取市に鎮座する香取神宮の三社を巡拝する、古くからの信仰に基づいた巡礼の形です。この三社を巡ることは「下三宮参り」とも呼ばれ、江戸時代には「お伊勢参りの禊(みそぎ)の三社参り」として、関東以北の人々が伊勢神宮への参拝後に、旅の安全を感謝し、穢れを祓い清めるためにこれらの三社を参拝する風習がありました。
伊勢神宮は、皇室の祖先神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る、日本における神道の中心であり、全国の神社の頂点に立つ存在です。江戸時代には、庶民の伊勢参りが盛んになり、一生に一度は伊勢神宮へ参拝することが人々の願いでした。しかし、伊勢神宮は遠方にあるため、参拝の機会は限られていました。そこで、伊勢神宮への参拝を終えた人々は、帰路に東国三社を参拝することで、旅の安全を祈願し、心身を清め、より一層の御利益を授かろうとしたのです。
特筆すべきは、明治時代まで「神宮」という称号を持つ神社は、伊勢神宮のほかには鹿島神宮と香取神宮しか存在しなかったという事実です。これは、鹿島神宮と香取神宮が、国家にとって極めて重要な神社であったことを示しています。つまり、伊勢神宮と東国三社を参拝することは、当時の人々にとって、日本全国の主要な神社を巡礼し、すべての神々への敬意を表明する行為に等しかったのです。
現代において、東国三社参りは、かつての信仰の形を追体験するだけでなく、日々の喧騒から離れ、自然に囲まれた神聖な空間で自分自身と向き合い、心を静める機会としても捉えられています。忙しい現代社会において、忘れ去られかけていた古の信仰に触れ、自身の内なる声に耳を傾けることで、新たな発見や気づきを得られるかもしれません。
三社を結ぶ神秘の結界 ・ 直角二等辺三角形に秘められた力
東国三社参りの魅力は、単に三つの神社を巡拝するだけではありません。地図上で鹿島神宮、香取神宮、息栖神社を結ぶと、美しい直角二等辺三角形が浮かび上がります。この三角形は、古来より特別な意味を持つと考えられ、強力なエネルギーが凝縮された結界であると信じられています。
直角二等辺三角形は、安定と調和を象徴する図形であり、宇宙の秩序を表すとも言われています。この結界内に身を置くことで、心身のバランスが整い、精神的な安定を得られると言われています。また、結界内には、人生の岐路に立った時、迷いや不安を取り除き、正しい方向へ導いてくれる力が宿っているとも伝えられています。
人生は常に選択の連続であり、時に道に迷い、不安に押しつぶされそうになることがあります。そんな時、東国三社を結ぶ結界のエネルギーを感じることで、内なる声に耳を傾け、直感力を高め、自分自身の進むべき道を見つけることができるかもしれません。
各神社の詳細な紹介 ・ 歴史と神話が息づく聖地を巡る
東国三社は、それぞれ異なる歴史と神話を持ち、独自の魅力とご利益を授けてくれます。各神社の詳細な情報を知ることで、より深く東国三社参りを体験し、神々との繋がりを感じることができるでしょう。
鹿島神宮 ・武神降臨の地、国家鎮護の要 (茨城県鹿嶋市)

鹿島神宮は、武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)を御祭神として祀る、東国随一の古社です。武甕槌大神は、日本神話において、国譲りの交渉で活躍した武神であり、勝利、武道、そして国家鎮護の神として崇められています。
鹿島神宮の起源は、神武天皇元年(紀元前660年)に遡るとされ、その歴史は2600年以上にも及びます。古代より、皇室や武士からの崇敬が篤く、国家的な祭祀が執り行われてきました。特に、中世以降は、武士道の精神を象徴する神社として、多くの武将が戦勝祈願に訪れました。
鹿島神宮の境内は、広大で緑豊かな森に囲まれ、荘厳な雰囲気に包まれています。本殿、拝殿、楼門など、数々の重要文化財が点在し、歴史と文化の重みを感じることができます。特に、奥宮へと続く参道は、樹齢数百年の杉木立が立ち並び、神聖な空気が漂っています。
鹿島神宮には、数多くのパワースポットが存在します。
- 御手洗池(みたらしいけ)・ 湧水が湧き出る神聖な池で、罪や穢れを洗い流す力があると言われています。
- 要石(かなめいし)・ 地震を鎮める力を持つとされる霊石で、地中に巨大な石が埋まっていると伝えられています。
- 奥宮(おくみや)・ 本殿からさらに奥に進んだ場所に鎮座する社で、より強いパワーを感じられると言われています。
鹿島神宮を参拝することで、武甕槌大神の力強いエネルギーを受け、勇気と決断力を授かり、困難を乗り越えることができるでしょう。また、国家鎮護の神としての御利益により、平和と安定を祈願することができます。
息栖神社 ・東国水運の要、旅の安全を守る神 (茨城県神栖市)

息栖神社は、久那戸神(くなどのかみ)と岐神(ふなどのかみ)を御祭神として祀る、古代からの水運の要衝を守る神社です。久那戸神は、境界を守る神、岐神は、道祖神として知られ、旅の安全や交通安全にご利益があるとされています。
息栖神社は、常陸国と下総国の国境に位置し、利根川と常陸利根川の合流地点に鎮座しています。古くから、水運の要衝として栄え、人や物資の往来が盛んでした。息栖神社は、航海の安全を祈願する人々から厚く信仰され、旅の安全を守る神として崇められてきました。
息栖神社の境内は、こぢんまりとしていますが、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。特に、境内に湧き出る「忍潮井(おしおい)」と呼ばれる湧水は、古くから名水として知られ、神聖な水として大切にされています。
息栖神社で最も有名なのは、鳥居の両脇に湧水が湧き出る珍しい「二本鳥居」です。この鳥居は、忍潮井から湧き出る水が鳥居の足元を洗い清めるように流れ出ており、穢れを祓い清める力があると言われています。
息栖神社を参拝することで、旅の安全を祈願し、交通安全のお守りを授かることができます。また、忍潮井の湧水を飲むことで、心身を清め、健康増進の効果も期待できるでしょう。
香取神宮 ・ 武道の神、勝利を導く聖地 (千葉県香取市)

香取神宮は、経津主大神(ふつぬしのおおかみ)を御祭神として祀る、武道、武術、勝利の神として知られる古社です。経津主大神は、鹿島神宮の武甕槌大神とともに、国譲りの交渉で活躍した武神であり、武道の神として、多くの武道家やスポーツ選手から崇敬を集めています。
香取神宮の創建は、神武天皇18年(紀元前643年)に遡るとされ、鹿島神宮と並び、関東地方における最古の神社のひとつです。古代より、皇室や武士からの崇敬が篤く、国家的な祭祀が執り行われてきました。特に、中世以降は、武士道の精神を象徴する神社として、多くの武将が戦勝祈願に訪れました。
香取神宮の境内は、広大で緑豊かな森に囲まれ、荘厳な雰囲気に包まれています。本殿、拝殿、楼門など、数々の重要文化財が点在し、歴史と文化の重みを感じることができます。特に、本殿へと続く参道は、樹齢数百年の杉木立が立ち並び、神聖な空気が漂っています。
香取神宮には、数多くのパワースポットが存在します。
- 要石(かなめいし)・ 地震を鎮める力を持つとされる霊石で、鹿島神宮の要石と対になっていると伝えられています。
- 三本杉(さんぼんすぎ)・ 根本から三本に分かれて生えた杉の木で、力強い生命力を感じられると言われています。
- 奥宮(おくみや)・ 本殿からさらに奥に進んだ場所に鎮座する社で、より強いパワーを感じられると言われています。
香取神宮を参拝することで、経津主大神の力強いエネルギーを受け、武道やスポーツの技術向上、勝利への道が開かれると言われています。また、困難に立ち向かう勇気と、目標を達成する強い意志を授かることができるでしょう。
東国三社参りをさらに深く楽しむために・周辺の神社も巡ってみよう
東国三社参りを行う際には、三社だけでなく、周辺にある神社も一緒に巡ることで、さらに深く東国の歴史や文化に触れ、神々との繋がりを感じることができます。
例えば、鹿島神宮の近くには、鹿島アントラーズの必勝祈願で有名な「息栖神社奥の院」や、古代の祭祀場跡である「高天原」などがあります。また、香取神宮の近くには、水郷佐原の美しい風景を楽しめる「佐原の町並み」や、伊能忠敬記念館などがあります。
周辺の神社や観光地を巡ることで、東国三社参りの旅は、より充実したものになるでしょう。
東国三社参りで、人生を導く神秘の力を体験しよう
東国三社参りは、単なる観光旅行ではありません。それは、古来より人々が特別なパワーを感じてきた聖地を巡り、神々との繋がりを感じ、自分自身と向き合う、特別な旅です。