熱海・龍神紀行~龍神と共に息づく街⑥ 完結編

初島からたどる伊豆大権現のルーツ

前回の記事(熱海・龍神紀行~龍神と共に息づく街~⑤)の『走湯山秘訣』に登場する初木姫をお祀りする、初木神社を目指しました。

熱海港から定期船に乗ります。

熱海には海底遺跡があることが知られています。船の上から海を眺めていると、まだ見ぬ海底遺跡が気になって仕方ありません。スキューバーダイビングをされる方は、ぜひご覧になってください。

(船上から見た熱海)

この一帯は火山活動が活発であったため、伊豆山神社の山麓の摂社、末社、門前町の一部が海底に沈んでいます。また伊豆山神社は海から来ており、祭壇へと続く坂と階段がありましたが、これも海底に沈みました。

熱海や伊豆山一帯の資料が現存していない理由は、豊臣秀吉による小田原攻めにより、北条家の味方をした伊豆大権現は丸焼きにされ、大切な資料等が全焼してしまったためだそうです。

初木神社をはじめとする島の古文書や家系図などの主要な文書は、伊豆山神社にまとめて奉納され管理されていました。そのため島の古い記録も同様に失われました。

古代では富士山神や箱根神も伊豆大神とされており、いかに伊豆大神の力が広範囲に影響を与えていたかがわかります。

強運の神とよばれる所以でしょうか。

『三宅記』に見る初島の名の由来

伊豆半島の沖合、熱海市の南東10kmに浮かぶ初島は周囲4kmの小さな島で、人口は250人。熱海港からは船で30分ほどで到着。

初島は2万年前に海底が隆起してできたと言われ、本土と近く渡りやすかったため、古くから人が居住していた痕跡があります。

縄文時代の土器や石器も見つかり、縄文遺跡は7つも見つかりました。

手軽に訪れることができる離島として人気があり、毎年25万人~30万人前後の人がこの小さな島を訪れます。

(初島港)

寺社の由緒を記した寺社縁起の一つとされる『※三宅記』には、旧伊豆国地方の神々についての記述が残されています。(※三宅記の原本は鎌倉時代末期に完成したとされます。)

三宅記によると、天竺(インド)で生まれた王子(※三嶋神)が無実の罪に問われて追放され、支那、高麗と渡り、第八代孝安天皇元年に日本に到着します。そして富士山頂で出会った神に安住の地を求めると、富士山頂南部の地を与えられました。

この地は狭く、「島焼き」(造島)を行うことにします。第八代孝安天皇21年に、多くの龍神、雷神とともに島焼きを行い、7日7夜で10島を生み出しました。その島々に自分の后を置き、各后は子を産みました。

この10島のうち最初に生み出した“初めての造島”が、初島の由来となっています。

※三嶋神は、三宅島の富賀(とが)神社にお祀りされている神様です。静岡県の三嶋大社は、この富賀神社より分祀されました。

初島の”ここは訪れ隊!”

①初木神社

ご祭神

・大津見命(おおつみのみこと) 

・豊玉姫命(とよたまひめのみこと) 

・初木姫命(はつきひめのみこと) 

初木姫命の外にもお二柱の神様がお祀りされています。大津見命(おおつみのみこと)は、古事記では大山津見神、日本書紀では大山祇神と表記され、三島神社の多くで主祭神として祀られている神様です。

豊玉姫命(とよたまひめのみこと)は海神(わたつみ)の娘で、神武天皇の祖母にあたります。数多くの神社にお祀りされている神様です。

また初木神社の神殿の下には、古代の祈りの場である磐座(いわくら)の遺跡が眠っており、海上・交通安全、水難除け、良縁・縁結びのご利益があるとされています。

初木神社については後ほど説明します。

②竜神宮

初木神社から徒歩でほど近いところに、竜神宮があります。

海の中から現れた霊剣が祀られていたとされており、大漁祈願の神として今も島民の信仰を集めています。

その昔、不漁が続き漁師が嘆き明かしていると、海の中から剣が現れました。それ以来、島には豊漁の日々が続いたという言い伝えがあります。

大漁祈願するため、毎年4月3日には竜神宮のお祭りが行われ、海で取れた魚をお供えします。島民はは毎年この日は漁を休み、霊剣に感謝を捧げるために、大漁鉢巻を巻いて桜の下で酒を飲み交わすならわしが続いています。

両スポット共に、船を降りて徒歩ですぐの場所にありますので、ぜひこちらの二カ所をご参拝下さい。小さな離島にあるにも関わらず、太古の歴史を感じることができる場所です。

初木神社ー愛に包まれる光の聖地

『走湯山秘訣』によると、青々とした海底から、かがやく玉の御輿にのり現れた巫女初木は初島から水牛に乗り、月ごとに久地良山へおもむいては山をめぐり、初島を眺めていました。

そして乳母となり日精・月精という二人の子供を育て、やがて二人は伊豆大権現の祖先となりました。

初木姫がいたからこそ今の伊豆大権現(伊豆山神社)があると言えるのではないでしょうか。

この初木姫が祀られている初木神社のパワーはこれまた格別です。優しくて包容力があり、お参りの後に幸せな気分が続きます。

伊豆山神社をお参りされる際には、伊豆大権現の祖先を育てた初木姫をお祀りする初木神社まで足をお運びください。

そして初木神社の、小さなお社からあふれるほどのエネルギーをぜひ感じてみてください。

本気で異性にモテたい方はぜひ!

(詳しい内容は10月7日創刊のメルマガでお伝えします💛)

『走湯山秘訣』

初木姫が神界へと上るくだりが『走湯山秘訣』の終わりにあります。

(走り湯から見た初島)

「降臨巻」

(伊豆山神社公式HPより転載します。)

道はさらに続いていました。歩みを進めてゆきますと、くぼんでいるのにたいらかな広場に出ました。鉱の大地には、一面に黄金の砂子が敷かれています。
樹々や草花はみな宝石や金銀からなっており、高貴な香に満ちています。あたりの衆人はみな、金色のかがやきを放っておりました。宮殿に入ると、碧玉でつくられた蓮華の宝座がそなわり、千の御手と千の御眼を持つ高貴な御方が、宝石をちりばめた冠をいただき光りかがやいておわします。初木の耳に、千手千眼観世音菩薩です。父神天忍穂耳尊の、真実のおすがたです。
とささやく、月光童子の声が聞こえました。初木が誠の心を至してうやまい拝み申しあげると、妙なる御声が聞こえてきました。その声音には聞くものの心を豊かにし、身にやすらぎを与える響きがありました。初木は、おのずとかぎりない御教えを聴き持っておりました。さて、月光童子を導き手としてふたたび歩みはじめた初木たちは、気がつくと、久地良山の岩屋の外にたたずんでおりました。
白みはじめた夜空には、北斗七星がまたたいています。月神正哉吾勝々速日天忍穂耳尊の住まう神の国をめぐる旅は、おわりを告げたのです。
第十六代の応神天皇の御代のこと。大磯の海辺に月の鏡があらわれ、日金の峰に飛びうつりました。
月神正哉吾勝々速日天忍穂耳尊であらせられる、伊豆山走湯大権現の降臨です。このとき、権現をお迎えし初めてお祀りしたのは、御山の開き人である松原の聖と、生い長じて氏人となった日精と月精でした。
伊豆山の朱の社からは、初木姫が鎮まります初島が、うつくしく見えます。朝日にかがやく初島を拝するたびに、日精と月精は、初木姫が月光童子に手を引かれ、光のかなたにある神々の世界へとかえっていったときのことを思い出します。その日の朝、初木は日精と月精を招いて告げました。
いとしい子どもたちよ、よくお聞きなさい。わたしはこれから神の世界にまいります。あなたがたは人となり、ここに残って、伊豆山の神をお祀りする氏人の祖におなりなさい。そして、常に神に仕え、神と人とのなかだちの役をつとめるのですよ。力よわき人間は、神のすがたを見ることも、御教えを聞くこともできません。いまこそ、わたしはあなたがたに、秘められた神の御名と由来を伝えましょう。
そして、神仏の真実のすがたと尊き御教えを語って聞かせましょう。あなたがたは、あなたがたの子どものなかから、神を祀るべきすぐれた素質をもった子をひとり選び、口伝えに語り継ぐのです。神の真実を語るのはおそれ多いことです。ゆめゆめ、軽々しく他のひとに語ってはなりません。けれども、人びとがこの伊豆の国を守る神のことを忘れてしまうことがないように、神に仕えるあなたがたの子や孫が、代々語り継いでゆくのです。
こうして、伊豆山権現の秘められし由来と氏人の御生れの神語りは、氏人の長ひとりに代々語り継がれ、走湯山秘訣と呼ばれて、今に伝えられる詞になりました。

熱海・龍神紀行~龍神と共に息づく街シリーズは、この初木姫の言葉とともに終わります。

龍神と共に息づく街、熱海。

熱海は”温泉”だけではなく、龍脈というマグマのエネルギーを大いに感じて、その恩恵を受け取ることができる場所でした。

恩恵は目には見えませんが、おかげで心身に着いた汚れが落ちて、まっさらな元気な状態に戻り命の洗濯ができたように思います。

そして動くことの大切さ、よどませずに血や気を巡らせて生きることが運を運び繁栄につながることに気付きます。

人間も大地もこの大いなる脈動のエネルギーによって生かされていることを感じる旅となりました。

最後までご覧くださりありがとうございました。

訪れる皆様の明日がより良きものとなりますように。

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かねてよりワークショップ開催のご要望をいただいていたのですが、コロナの影響で延びに延び、やっと実現する運びとなりました。普段は除霊や開運調整を行っていますが、ワークショップでも簡易除霊を行います。そして自己を癒すワーク、その後願望実現ワークを行います。今は願いが叶う時代です。人々の意識が高まり。それが可能になりました。いくつになっても、夢は叶います。

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