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「グルテン不耐症(過敏症)とは」
テニス界のトッププレーヤーであるジョコビッチ選手がそうであったグルテン不耐症。グルテンとは、小麦に含まれるタンパク質のことで、本来人間が消化できないものであるため、人によっては重篤な病気(セリアック病)まで引き起こします。うどんのコシやパンのもっちりとした食感のもとにあるのがグルテンです。
グルテン不耐症(過敏症)の症状としては、腹痛、下痢、便秘、逆流性食道炎、腸の不調、頭痛(偏頭痛含む)、めまい、低血糖のような症状、関節痛、鬱症状、なんとなく頭がすっきりしない、貧血、むくみ、関節の炎症、疲労感、倦怠感、うつ症状、低血糖、じんましん、ビタミン・ミネラル欠乏症、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん/二の腕や背中などにできるブツブツ)など様々です。また抜け毛が増えて、ぽっこりお腹にもなります。
昨今グルテンフリーという言葉がよく聞かれるようになり、グルテンを摂らない食事法は、単なるダイエット法や健康法だと思われる方もいるかもしれません。
しかし小麦製品があふれ、私たちの食生活から小麦を切り離すことが難しい現代では、誰にとっても非常に大事な目の前にある問題です。そして自分がグルテン不耐症であることに気づいていない人がかなりの数にのぼります。
数年前と比べても現在ではグルテンの弊害が広く知られるようになり、世界で数十万人もの人が以前より健康になっています。5人に1人はグルテン不耐症をもっているといわれています。
体が重かったり、気弱になったり、という症状を、ふだんの生活からきている疲れだと思い込んでいる場合が多いです。つねに頭に霧がかかったようになっていたり、鬱のような精神状態になったり、朝起きるのがとても辛い症状も自分がストレスを感じているからだと思い込んでいる場合が多いです。そんなに量を食べていないのに太ったり、逆に食べているのに痩せたりする症状も、グルテン不耐症の可能性があります。
グルテンを取り除くことにより、すぐに体重が減少し、活力が増えて、あるいはアレルギーやその他の免疫不全が消える可能性すらあります。グルテンを排除することで状態が良くなるのは、肉体だけではなく、精神もしかりです。集中力が増し、常に落ち着いた状態を保つことができ、明晰な判断ができるようにすらなるのです。
一見ヘルシーそうな全粒粉もまたグルテンアレルギーをおこします。さらに全粒粉の食パン二枚と白砂糖大匙2杯では、全粒粉の食パンの方が血糖値が上がりやすいという報告があります。血糖値の上がりやすさを数値化したグリセミック指数は、体内のインシュリン反応を制御したい人にはこのうえもなく役立つものです。健康意識が高い人は全粒粉パンを好みますが、この全粒粉パンは、スニッカーズバーよりも1.5倍もグリセミック指数が高い、つまり1.5倍も血糖値を跳ね上げてしまいます。
さらに悪いことに、最近の小麦およびその他の穀物は、遺伝子組み換えが行われており、その小麦に含まれるグルテンは、従来の自然界に存在するグルテンとは構造的に異なります。
小麦粉に含まれるグルテンの量は、莫大に増えました。それとともにグルテン中に含まれるグリアジンというたんぱく質も増やしていきました。粘着力が増して、加工品を作りやすくするためです。
実はこの品種改良を経て生成されるグルテンに含まれるグリアジンには、小腸の壁の結合組織を壊す作用があると言われているのです。これがグルテンアレルギーを引き起こす原因となります。
参考文献:【ジョコビッチの生まれ変わる食事】ノバク・ジョコビッチ
【この4つを食べなければ病気にならない】医学博士 崎谷博征