御神気が泉のように湧き出るパワースポット~気多大社

能登國一之宮~気多大社・神秘の杜と蘇りの力
(鵜祭 写真提供・気多大社)

石川県羽咋市寺家町ク1-1
ご祭神 大己貴命(おおなむちのみこと)
能登半島の西海岸、石川県羽咋(はくい)市に鎮座する気多大社(けたたいしゃ)は、古くから能登國の一之宮として崇敬を集めてきました。金沢駅から車で約45分、能登の豊かな自然に抱かれたこの神社は、訪れる人々に深い安らぎと活力を与えてくれます。
羽咋市は、古代から独自の文化を育んできた土地であり、UFOが現れるという伝説も残されています。その神秘的な雰囲気は、気多大社の荘厳な佇まいとも相まって、訪れる者を特別な世界へと誘います。
(気多大社境内 写真提供・気多大社)

気多大社の創建は非常に古く、その歴史は神代にまで遡ると伝えられています。文献に登場するのは奈良時代、万葉集に歌が詠まれた頃です。大伴家持(おおとものやかもち)は、『万葉集』の編纂に携わった歌人であると同時に、律令制下の高級官吏として中納言まで昇格した人物です。天平18年(746年)3月、越中守を命じられ、越中国(能登國は越中国の一部でした)に5年間在任します。天平20年、家持が能登各地を巡り歩いた際、まず気多大社を訪れ参詣し、その神威に感銘を受けたとされています。このことからも、当時すでに気多大社が重要な神社として一目置かれていたことが伺えます。家持は、
「うみさちの けだの御前に しろたへの 袖うちふりて 祈る我はも」
と詠みました。この歌は、海の幸を司る神である気多大社の神前で、白い袖を振って祈る自分の姿を詠んだもので、家持の神への敬虔な思いが伝わってきます。
(気多大社拝殿 写真提供・気多大社)

安土桃山時代に入ると、気多大社は加賀藩を治めた前田利家や歴代の藩主によって篤く崇敬されました。前田家は、気多大社を能登の守護神として位置づけ、社殿の造営や祭礼の支援を積極的に行いました。その庇護は、江戸時代を通じて続き、気多大社は加賀藩の重要な祈願所として、その地位を確立しました。
畠山基国は、河内、紀伊、越中、能登の4か国を治めた室町時代の大守護大名でした。その次男である畠山満慶氏は、その一つであった能登をもらい受け、能登畠山氏となり、守護大名となりました。若宮神社は、その畠山氏によって再建されました。室町時代の建築様式を今に伝える貴重な遺構として、国の重要文化財に指定されています。
(若宮神社 写真提供・気多大社)

若宮神社だけでなく、本殿(大己貴命)、拝殿、神門、摂社白山神社は国指定重要文化財であり、神庫、随身門はともに県指定文化財です。気多大社の境内は、まさに歴史的建造物の宝庫であり、訪れる人々を魅了しています。
入らずの森・神域に息づく原生林
加賀藩が保護した社叢(しゃそう)は、国の天然記念物となっています。この社叢は「入らずの森」と呼ばれ、奥宮がご鎮座されています。入らずの森は400年以上も前から神域として立ち入りが禁じられてきました。神職の方ですら一年に一回奥宮にてご神事する時のみ、足を踏み入れる森です。広さ約三万三千平方メートルもある原生林で、樹齢300年~500年の樹々が茂っています。
(気多大社と入らずの森 写真提供・気多大社)

入らずの森は、手つかずの自然が残る貴重な場所であり、その神秘的な雰囲気は訪れる人々を圧倒します。鬱蒼とした森の中には、巨木がそびえ立ち、苔むした岩や古木の根が独特の景観を作り出しています。鳥のさえずりや木々の葉擦れの音だけが聞こえる静寂の中で、心静かに自然との一体感を感じることができます。
かつて、この森には神様が降り立つと信じられており、その神聖さを守るために、一般の人の立ち入りが禁じられていました。現在でも、特別な許可を得た人しか入ることができず、その神秘性は保たれています。
入らずの森での特別なご祈祷体験(現在は終了)
かつては、ご神域である「入らずの森」にてご祈祷頂ける機会がありました。(期間限定・2020年12月1日~2021年2月2日。)これは、加賀藩主、前田利家とその妻まつも受けたと云われる特別なご祈祷であり、多くの人々がその恩恵を求めて訪れました。
ご祈祷の際の服装は、男性はスーツ、女性もスーツなどの正装が求められました。これは、神聖な場所での儀式にふさわしい敬意を表すためです。
入らずの森に入り遙拝所にて二拝二拍手一拝して神様より元気な氣を頂いて衰えた氣を一新して健康と幸せを祈願するという内容でしたが、実際に体験した人々からは、「まさにその通りだった」という声が多く聞かれました。
(白山神社 写真提供・気多大社)

まずお祓いをしていただき、和太鼓の音が響く中、拝殿で二拝二拍手一拝をしてから入らずの森に入ります。森の中では、私語も撮影も禁止されており、静寂の中で神聖な空気を体感することに集中します。
足を踏み入れると、この入らずの森の原生林が放つ力に圧倒されます。身体が休まり、とても気持ちが良いです。寒い日でしたが、お参りした後は体から寒気が消え、心から元気になっていました。
大変貴重なありがたい体験ができました。もう一度入らずの森に入り、参拝させて頂きたいと思うほど素晴らしい体験でした。
鵜祭・能登に春を呼ぶ神事
(鵜祭 写真提供・気多大社)

気多大社では、毎年4月8日に鵜祭(うのまつり)という特殊神事が行われます。これは、能登に春を呼ぶ祭りとして知られ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
鵜祭は、神職が海に入り、鵜を捕獲することから始まります。捕獲された鵜は、神前に供えられ、豊漁や五穀豊穣、人々の健康を祈願する神事に使用されます。
鵜祭の最大の見どころは、神職が鵜を海に放つ場面です。放たれた鵜は、大空に向かって羽ばたき、その姿は生命の力強さを象徴しているかのようです。鵜祭は、自然と人間の調和を祈る祭りであり、能登の人々の信仰心の深さを感じることができます。
(気多大社雪景色 写真提供・気多大社)

ご利益・蘇りの力と希望の光
気多大社は、古来より「縁結びの神」として知られていますが、それだけではありません。困難を乗り越え、新たな一歩を踏み出す力を与えてくれる「蘇りの神」としても崇敬を集めています。
そのご利益は、不幸から抜け出す砦(とりで)となり、不死鳥のようによみがえるパワーを与えてくれると伝えられています。人生の岐路に立たされた時、困難に直面した時、気多大社を訪れれば、きっと新たな希望の光を見つけることができるでしょう。
羽咋市の魅力・UFOと千里浜なぎさドライブウェイ
羽咋市は、気多大社以外にも多くの魅力を持つ土地です。特に有名なのは、UFOの目撃情報が多発する「UFOの里」としての側面です。
(コスモアイル羽咋)
市内に位置する宇宙科学博物館コスモアイル羽咋では、UFOに関する展示や宇宙科学に関する様々な情報が提供されており、多くの観光客が訪れます。また、UFOをテーマにしたイベントやワークショップも開催されており、宇宙へのロマンを感じることができます。

さらに、羽咋市には、日本で唯一、車で砂浜を走ることができる「千里浜なぎさドライブウェイ」があります。全長約8kmの砂浜を、波打ち際を走り抜ける爽快感は、他では味わえない特別な体験です。夕暮れ時には、美しい夕日が水平線に沈む光景を眺めることができ、ロマンチックな雰囲気に包まれます。
(千里浜なぎさドライブウェイ)

まとめ・能登の聖地で心身を癒やす旅
気多大社は、古代からの歴史と豊かな自然に抱かれた、能登の聖地です。神聖な空気に満ちた境内を散策し、歴史的建造物を見学し、そして何よりも、神様のパワーを感じることで、心身ともに癒されることでしょう。
外出できる時期が来たら、ぜひ気多大社を訪れて、活力を得て復活しましょう!羽咋市のUFO伝説や千里浜なぎさドライブウェイなど、周辺の観光スポットと合わせて、能登の魅力を満喫してください。きっと忘れられない旅となるはずです。