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香島の天の大神
その昔、香島の天の大神とは、天の大神の社と坂戸神社、沼尾神社の三処を指すものでした。
常陸国風土記の香島郡に、
「その地に鎮座まします天の大神の社・坂戸の社、および沼尾の社の三社合わせ称して香島の天の大神(かしまのあめのおおかみ)と申し上げる。(この神のおいでになることに)よって群(こおり)の名とした。」という記載があります。
”香島の天の大神”として崇敬を集め、人々がこぞって参拝に訪れていた古社、坂戸神社、沼尾神社。
その名残りをとどめるのように、鹿島神宮の鳥居をくぐった左手に、坂戸神社、沼尾神社の遥拝所が設けられています。
【鹿島神宮の境内にある、坂戸神社、沼尾神社の遥拝所】
古くはは”香島の天の大神”とお祀りされていた坂戸神社、沼尾神社を巡ります。鹿島神宮から坂戸神社まで車で10分ほどです。
坂戸神社
(茨城県鹿嶋市大字山之上227-4)
ご祭神
天児屋根命
天児屋根命は忌部氏(いんべし)とともに宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)を司った中臣氏の祖神にあたります。
民家の集落の中の少しわかりにくい場所にありました。
周囲まで放たれている霊力はとても力強いです。
鳥居をくぐると、空気が変わります。まるで樹々によって結界がつくられているかのように、周囲とは空気が全く異なります。
昔はたくさんの人が参拝されていたのでしょう。
さらに車で10分ほどの場所にある沼尾神社に向かいます。
民家の間を走っていると「この周辺は神聖な区域です」という白看板が現れました。このすぐ近くにあります。
沼尾神社
(茨城県鹿嶋市小山1121-31)
史跡鹿島神宮境内附郡家跡
祭神
経津主大神(フツヌシノカミ)
車を降りて、うっそうとした森の間の参道と思われる一本道を歩きます。
すると鳥居と社が見えてきました。
こちらも非常に強い霊力です。ここが特別な神社であることがすぐに感ぜられます。
神だけでなく、様々な精霊の存在を感じるとても濃密な空気が流れています。
なぜこのような場所に神社があるのか不思議に思われるかもしれませんが、訪れたならばなぜここに神が天から降り立ったのか、一瞬で理解できるでしょう。
しばらく佇んでいると自分がこの場と一体となっていきます。神域ではこのような感覚が呼び覚まされます。
かつて沼尾神社の近くには沼尾池(江戸時代に枯渇しました)があり、沼尾神社はこの沼尾池をお祀りしていたそうです。古くは池がご神体でした。
常陸の国風土記に、沼尾池に関する記載が残っています。
「香島の神の社の南に郡衙がある。また(社の)北には沼尾の池がある。古老が言うには、『(この池は)神代に天から流れてきた水沼である』と。」
鹿島神宮を参拝する際には、この2処も是非合わせてご参拝ください。古くは香島と呼ばれた時代に神が天から降り立った特別な神社です。今もなお強い霊力に満ちています。