「永遠の至福を知る賢者は、つかの間の物事に永遠を求めない」(カーシャ・ウパニシャッド)
これはパラバヴァイラーギャ(最高の無執着)に関して述べられたものです。
人は欲望を持ち、つかの間の幸せを味わい、多くの錯覚をしながら暮らしていますが、
ヨーガの修練をすると内面の安らぎが深まり、欲望をある程度コントロールし、潜在意識を浄化するようになります。
無執着の境地に至るまでには努力が必要ですが、完全に真我を実現すると、欲望は力を失いしぼんでいきます。
無執着になり、欲望を失うということは、色の無い世界にいるかのような、また無気力な状態になるのではないかと想像する人も多いと思われますが、
不安や心配から解放され、心からの喜び、幸せを感じられるようになるといわれます。
「多くの人がそんな想像をします。
みんなもう人生への興味を失ってしまうように思います。
しかし、起きることはまったく違います。
むしろ、人生が無限の興味に満ちたものであることに気付くのです。
欲望のネガティブな側面を考えてください。
それはいつもあなたを縛り付けます。
『もしこんなことが起きればどうしよう』あるいは
『もしそれが起きなかったらどうしよう』と、
いつも将来への心配、過去への後悔の状態に留まることになります。
一方、無執着は、内側の自由と喜びの状態にいつもいられるよう助けてくれます。
現在という今に幸せでいられるなら、そのときあなたは神と共にいるのです。」
(『パラマハンサ・ヨガナンダとの対話)より)