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精霊が住む神秘の森~波治加麻神社(はじかまじんじゃ)
大島の旧郷社の三社のうちの一社
伊豆諸島の生成を伝える「三宅記」によると、伊豆諸島を造島しとたとされる三島大明神には五人のお后がありました。大島に置かれたお后は「波浮(はぶ)の大后」といい、波浮大明神の祭神「波浮比咩命(はぶひめのみこと)」とされています。
この波浮比咩命と三島大明神の間に生まれた王子が2人おり、長男の「太郎王子オオイ所」は野増にご鎮座する大宮神社。次男の「次郎王子スクナイ所」は泉津にご鎮座する波知加麻神社であります。
波知加麻神社は、式内社(※)の「波治神社」であります。神社と“蜂の尻”と呼ばれる外輪山の一峰を結ぶ延長線上に三原山を拝することができます。
(※)式内社とは、延喜式神名帳に記載された神社という意味であり、社格を表します。延喜式神名帳は972年にまとめられた全国の神社の一覧です。
杉と苔に包まれた神秘の森
泉津にある「次郎王子スクナイ所」の波知加麻神社を訪れました。泉津と言えば”切通し”が有名ですが、その近くにひっそりとたたずむのが波知加麻神社です。
【泉津の切通し】
鳥居をくぐり参道に一歩足を踏み入れると、そこには別世界が拡がります。
【波知加麻神社 鳥居】
まっすぐに伸びた樹々の合間から木漏れ日が差し、柔らかい苔の絨毯を踏みしめながら一歩一歩足を運ぶと、精霊が住む森に足を踏み入れているような感覚を覚えます
精霊の森には、とても柔らかくて優しいと同時に凛とした空気が流れています。
時が止まっているかのような、素晴らしいご神域です。
【参道】
その奥にひっそりとご鎮座されているのが、こちらのご祭神「波治命(はじのみこと)」。
【拝殿】
また拝殿の近くには、小さな祠がたくさんあります。
十字架が刻まれているこちらの祠は、キリシタンだった方のものでしょう。
【十字架が刻まれている古い祠】
”ずっと佇んでいたい”そんな気持ちになる神秘の森でした。大島を訪れる際には、必ず立ち寄りたい素晴らしい神社です。